先日から骨董のオイルランタンの修復を

やっています。火口やホヤを支える部分

は赤錆でボロボロに腐食しているので新

しく作り変えました。ランプの傘とつるの

部分は錆びていますがまだ完全に腐食

していなかったので本漆で漆蒔きとタン

ニン鉄の黒錆染めの二種類の錆止め加

工をしてみました。漆もタンニンも鉄と反応

すると黒く発色しますが漆は乾かすのに

ちょっとした工夫がいります。梅雨時から

夏にかけては自然乾燥できますが特に

冬の間は空中湿度と気温が低いのでそ

のままだといつまでも乾きません。気温

は暖房の効いた部屋で何とかなりますが

湿度の方は夜から朝にかけては浴室に

静置したり、湿らしたティッシュを入れた箱

に入れて湿度を保って乾燥させます。黒染

めは紅茶を煮出した液に酢を加えその液

に一日漬けて鉄と紅茶のタンニンとの反応

を待ちます。黒錆が出来ると赤錆がそれ以

上進行しないので錆止めになります。

 

 

 

 

漆を乾燥させるには25℃から30℃ぐらいの気温と80%前後の湿度が必要です。

それで箱などに湿らせたティシュをいれた室(ムロ)で1、2日置きます。

 

 

 

こちらはタンニン鉄で黒染めしたものです。タンニン鉄の薄い皮膜で黒錆を付けます。

紅茶と酢で作った黒染め液に一昼夜浸した後、黒染め液に浸したティシュを被せて

もう一日置いて黒染めしました。

 

 

黒染めした傘の出来上がりです