ここ数年にわたって紹介してきた旧東谷

村要覧(村誌)もいよいよ最終盤になっ

てきました。要覧自体の本編は今回で

一応終了です。あと少し後記やそれに

付随する話がいくつかあるのでそちらも

紹介したいと思っています。
尻振り祭りは平尾台の麓の井手浦集落

に古くから伝わる奇祭です。伝承では平

尾台に住む大蛇が悪さをするため退治し

たところ、切り取られた尻尾が台上から

井手浦の集落まで落ちてきてピクピク飛び

跳ねたと伝わっておりその様子を大蛇の

尻尾に見立てた長さ4,5mの藁を蒔いた

竹の周囲を選ばれた村人がお尻を振りな

がら回るというものです。竹に撒いた藁の

中には干し柿が隠されており、祭りの最後

に村人が競うように取り合うのですがこれを
ゲットしたものはその年は無病息災で過ご

せると言われています。毎年、新年の1月

8日に井手浦の公民館前の広場で行われ

ます。
お糸伝説は東谷の最南部、金辺峠の麓の

集落、呼野に伝わる伝承です。金辺トンネ

ルの手前1kmほど手前で新322号線左手

に大きな溜池があり、それがお糸池です。

池は髙さが10m近くある堤(土手が)築か

れており、これが大変な難工事で途中何度

も崩壊したようです。それで当時14歳の

お糸さんが人柱として犠牲になり工事は

見事完成しました。完成後何百年もたちま

すが、堤が切れたことは一度もないそうで

す。東谷の各町内には大小の溜池は
数多く存在しますがこれほどの悲しい伝説

はここだけです。お糸さんを偲びその供養

のためいつからか8月24日に集落の大泉寺

でお糸祭りが開かれます。(現在は8月24

日に近い休日に行われています)お糸さん

の功徳とご加護があってか、呼野集落は

そのご金鉱山をはじめ、明治から大正、

昭和の30年代までにかけて鉱山の町と

して栄えました。

 

 

 

オロチ(大蛇)を模した飾りです。8本の尾っぽが付いているのでヤマタノオロチ

伝説と関係がありそうです

 

 

 

お尻に矢を挟んだ村人が大蛇の周りを巡ります

 

 

 

お糸伝説が伝わる大泉寺です

 

 

 

神秘的な碧い水をたたえるお糸池です。ここには天然記念物級の貴重な水草、

ガシャモクが生息します