「一丁田印の包丁」として知る人ぞ知る

久留米市の遠藤工作所さんですが数

年前を最後に工場、お店とも閉鎖され、

もう拝見することも無理かと半ばあきら

めていました。ところがブログ読者の

ルパンさんが遠藤さんの連絡先を
調べて教えていただけたので昨日お

会いすることが出来ました。遠藤さんの

ご家系は18代続く刀匠の家柄で御当代

のおじいさまが明治時代に久留米で刀鍛

冶の工房を開かれました。当時の久留米

は太平洋戦争が終わるまで陸軍の18師団

が駐屯するいわゆる軍都で軍刀の需要

も多く刀匠としての腕を存分に発揮され

ていたようです。御当代も祖父、父上の

もとで腕を存分に磨き刀匠としての技を

修行されましたが戦後はその需要もなく

なりましたがプロの料理人の方からの
包丁の依頼が多くあり謙虚なご本人の

お人柄もありますが知る方ぞ知る包丁

の銘品を多く作られてこられました。

近年は昔鍛えた刀匠の技を生かした

鍛造ナイフなどを手掛けられておられ

ましたが、齢80を越えられ、後を継が

れる方もおられなかったこともあり数年

前にご引退され工房も閉鎖されたそう

です。今は作品は作られておられませ

んが、ナイフ、包丁とも十数本ずつ作品

の在庫を拝見させていただき山桜の柄

のアウトドアナイフを分けていただきま

した。家宝にしたいくらいの作品ですが

御当代も刃物は正しく使っていただくこ

とがありがたいとおっしゃっておられま

した。私もそう、思いますので趣味の

アウトドアで大事に使わせていただき

ます。

 

購入した山桜の柄のナイフです。丈夫な皮のシースも付属しています。

切れ味はもちろん100%です。

 

 

 

 

 

遠藤さんの作品の一部です。上の二本が最後まで迷った作品です。左が桜の柄の

ナイフで右は渓流や魚をさばくのに良い厚みのあるナイフです。最後まで迷いましたが

今回は左の作品にしました。

 

 

 

こちらも作品の一部です。

 

 

 

こちらは一丁田印の包丁の一部です。上が博多包丁と呼ばれる万能包丁で

したがプロ向けの玉鋼の菜切り包丁です。どちらも鍛造の銘品です。

博多包丁は日本刀を思わせる美しい刃紋が美しく浮き上がっています。