Spring ephemeral 春のはかない命、春の妖精。
花で言えばカタクリ、蝶の世界ではギフチョウが代表的なもんだが、ギフと名が付いてるのは明治のころ岐阜で採取されたこの蝶が新種と認定されたから。
子供の頃から蝶を追いかけまわしてたがギフチョウには縁がなく、横浜に住むようになってからは アッチの山の中に棲む蝶だとますます遠い存在となっていた。
それが、神奈川県にも棲息しているところがある、と聞き及んだんじゃ行くしかないだろ!
それも、このまえ行った相模原のカタクリの里の奥まったところ?あの辺ならある程度方角はわかる。
すんなり行き着いて里の駐車場にクルマを入れたが、30台ほどのスペースがある駐車場に他にクルマの姿はない。
とりあえず靴を履き替え、鳥の巣箱に500円玉を放り込んでスタート。
絶滅危惧II類の指定を受けてる蝶で、日本でもあちこちで保護活動が行われてるらしいが、ずっと夢にまでみた蝶にホントに出会えるのか?
あれが石砂山か?いしざれやまという読み方がいいな。
それより、ギフチョウの時期としてはすでに晩期で それに今日のこのあたりの天気予報は風が強く急の雨があるかもしれないというもの。寒冷渦が大陸から日本列島をグルグルまわっていて天候が安定しないって言われても 昼前のイットキ晴れてくれりゃあいいんだが、駐車場にクルマがなかったのは天気も関係してるのかも。
枝垂れ桜が満開。
今朝も来るときの道路は濡れてたからな。
とりあえずお地蔵様にアタマを下げ、
ミツバツツジの咲く里山の集落を行くと、
登り口発見。
1.5Kmって1時間くらいのモンだろ。
標高578mの低山といっても、初めての山というのはやっぱり新鮮でいいもんだ。
登り始めればいつものペースで、どうして昨日のゴルフはあんなにヘタを打ったんだ、こんどこそ見てろよと毎度同じことを思いながら、
白いタチツボスミレ?もあるんだ。
こちらは定番の色。
7時半に登り始めたから ユックリ行っても9時前には着くだろ。
蝶が舞い始めるのは10時ころくらいだろうから時間はたっぷりある。
ヒマつぶし用のマキロイが載ってるスポーツ新聞も買って用意万端。
テンナンショウかマムシグサか・・・
鉄柵が現われ、
ギフチョウが食べ、葉の裏にタマゴを産み付けるカンアオイを鹿から守ってるんだと。
オッ、一人静。
ツンツンの芽のミツバツツジ。
ブナの新緑がまぶしい。
ときどき、どこかにギフチョウは飛んでいないかと目を凝らすが、アッっと思うのは枯れ葉が風でひっくり返るくらいのもの。
空は晴れてるのに天気雨の激しいのが降って木の下に雨宿りをしながら、頂上を目前にするとゴ~~っとスゴイ音がして風が吹いてるのか。
着いた。温度は16度。
ギフチョウが飛び始めるには まだ低いし時間もまだ早い。
ベンチに腰かけおにぎり一個食って、マキロイを隅々まで読んでふっと目を上げると、
来た!
こいつだよ。会いたかった。というかホントに会えたの?
ギフチョウは頂上に上がってくるという習性があると聞いたがホントなんだな。
頂上の看板の下にスミレが一輪だけ咲いていて、蜜を吸いにくるならここだな、という予想がピッタリ。
競馬の予想は当たらないけど・・・
まだ時間も早いし、ここに居座っていればぞくぞくと飛んでくるかな?
10分くらいすると また来た!
大体他の蝶でもそうだが、蝶道と言って同じところを飛ぶから そこを見張っていれば良いのだ。
これも同じスミレの蜜を吸ってるがウシロの翅が折れてる?
オレのリュックにもやってきてくれて、昨日のゴルフの今日だったけど来て大正解だな。
これで毎年のやることリストが一つ増えた。
ギフチョウに会えたし おにぎり一個じゃ腹もへってきた。さ、帰るか。
下りは速い。
とっとと降りて、結局登り口から降りるまでダレ一人とも出会わなかったけれど、
この地域の方々の保護活動にも感謝し、
寛保なんていう時代があったんだな。
里でまた蝶発見、とシャッターを押したが白い!
ここらあたりまでギフチョウは降りてきて舞うというけど。
石砂山、また来年に蝶が飛ぶいい時期を見て来よう。
帰りに見つけた看板を頼りに寄った「藤野やまなみ温泉」の露天風呂には、散った桜の花びらが浮かび、見上げれば青空に鯉のぼり。
「いつとて悪い季節はないけれど わけても四月五月は良い季節。」
ダレが言ったか忘れたが、目の前に芝桜が満開、ツバメも飛んで カメラ持込可だったらなと思うけど、今日のところはギフチョウに出会えたしヨシだな。