JR東日本 一日乗り放題10、000円のキップ(通称キュンパス) を持って、青森酸ケ湯温泉に日帰り旅をせんと横浜駅の改札に通すと 無事に通過できてホッと一安心。今日から運用開始のこのキップがプログラミングミスとかあって引っかかれば 乗る予定の東北新幹線「はやぶさ」に間に合わなくなっちゃうぞというシンパイ性・・・
成田空港行きのスカ線に乗ると、横浜から30分で東京駅。
東北新幹線は大宮の次が仙台というのも ちょっと驚き。東海道新幹線の新横浜の次が名古屋、みたいなもんか?
6時32分 満席の東京発の「はやぶさ1号」は予定通りに9時49分に新青森駅に到着し、キュンパスを持ってるらしい乗客がゾロゾロ降り、
お~、ねぶた!
こっちも。さすが青森だな~。
とりあえず、ハラが減ってはなんとかで構内の食堂に入り、「太宰の朝飯」という名のホタテ貝焼き味噌に手前のは「若おい」?
若い昆布で包んだおにぎりは、塩味が効き磯の香りがして珍しいものを食べた。
壁は太宰をモチーフにしたディスプレーで飾られていて、ここの親父が太宰と同じ金木出身らしくオレも学生時代に行ったな~。大きな生家は あの頃旅館になっていて 2階の端の鏡台の置いてある三畳くらいの部屋に泊まったが、今考えると、あそこはお手伝いさん用の部屋だったんじゃないか。あのころ、金はなくても時間だけはたっぷりあった。60年一回りして、また同じ境遇になったけどな~。
♪上野発の夜行列車おりたときから
青森駅は雪の中・・・
酸ケ湯行きのバス乗り場を確認しようと駅を出たが、 歌と違って新青森駅の雪はちょびっとしかなく、これでスノーハイクを予定してる酸ケ湯はダイジョブなのか。
駅で買った地元の新聞にも、ポカポカ陽気の記事が載り、
酸ケ湯行きのバスは1日2本!
外は暖かく、ベンチで一人新聞を読みながら待っていると、スキンヘッドの兄ちゃんがキャリーバッグをゴロゴロ引いてやってきて「コレ、スカユ行きますか?」
ここで待ってりゃいいというふうにうなずき、どこの国から来たのか?と尋ねると
「シンガポール。スカユ、ハジメテデスカ~」
そうだよ、ファーストタイム。
「ジャ、トモダチデスネ~」
あんまりお友達になりたいタイプじゃないけどな~。
バスは時間になると続々と乗客が集まってきたが、ほとんどが中国っぽいアチラ系。
JRのバスだから、一応運ちゃんにこのキップは使えるのかと聞いてみたけどダメかよ。
市内を抜け、山道に入ると余計なシンパイをするまでもない雪の壁が続き、ヨコに座った半そでの大柄な欧米人が
「ビューティフォー!ウツクシイデスネ」と親指を立て、
途中の八甲田ロープウエーで10分休憩?
新青森駅11時10分発のバスは、酸ケ湯到着12時半の予定で、
酸ケ湯で温泉に入る前に予約してあるスノーシューハイクは、バスの到着予定時間と同じ12時半出発。10分前には集合してくれと言われてるし、仕度をする時間だって欲しいし、早くバス出せよ~!
それより、ロープウエーは風が強くて今日は休止?あちらも風があるのかな~とシンパイ性。
酸ケ湯温泉には5分前に到着し、新しい靴で滑らないように温泉の建物に駆け込むと 待ち構えてくれてたスタッフにスノーシューをはかせてもらい、着替えとか入れてきたリュックは待合室に置かせてもらってあわただしく出発!
アメダスの計測器。今日で積雪3mくらい?
ここのところの暖かさで、今日は1日で30cmくらい沈んでます。
ここらじゃ、随分低いところに巣箱を架けるんだな。と聞けば
「今 立ってるところが地上3mですから・・・」
そうだった。
水をどうこうする小屋と聞いたが、写真を撮るのに夢中で 不確か・・・
伸ばすと3mになるヌンチャクを細くしたようなつなぎ合わせの棒で積雪の深さを測ってるが、本来の使用目的はナダレの下に埋まった人間を探索するものらしい。
長崎や名古屋、新潟などから来た5人と前後にガイド2人の7人パーティー。
途中途中で休みながら解説や案内が入り、右手のトドマツはついこの間までは樹氷で真っ白だったのが、今日は上の方に名残が見えるだけだと。
お約束のバッタリ。ガイドさんに撮ってもらったんだけど、この後 起き上がるのがタイヘン。
手を付いても雪の中にズブズブ、足はスノーシューを履いていて言うことを聞かずに四苦八苦だった。
あれが死の行軍で有名な八甲田山。
オレたちも雪の野山を下って、
登って、シンパイしたほどの風は吹かず、そんなに寒くも無く汗もかかない トレッキング日和。
温泉の湧き出し口を見て、
シラカンバの木の根元を覗き込み、
スノーシューにも慣れたころ、
酸ケ湯温泉の上に到着。
千人風呂の建物を上から見れるのは今の時期しかありません。
と説明してくれてるのはいいけど、トレッキングの帰りの予定時間の2時を もう結構廻っていて、これから風呂に入って帰らなきゃいけない身にとっては、少々焦り気味?まあ遅れてきて早く帰りたいは身勝手もいいとこだけどな。
神社の鳥居も、ほとんどが埋まっている。
雪の壁をストックでつつくと青みがかった色が見えて、これは色の波長の関係でナントカカントカって。
いつもはこの時期に、道路が見えることなんかないと言って ここからスノーシューを脱いで戻り、
来た時には撮るヒマがなかった建物を写し、
券売機で買った1000円のチケットと交換にタオルとバスタオルを渡されて
いよいよ入浴タイム。
これに入るのが第一目的だからな。
混浴だけど入口は別。
写真はホームページより借用したものだが、実際はもっと湯気が立ち込めていて ダレが男で女やら、シンガポールなのか中国なのかさっぱりわからないけど、総ヒバ造りの柱が1本もない大浴場「ヒバ千人風呂」は、白濁した湯がスネのキズに沁みて 相当酸度が高そう。酸ケ湯の名の由来もそこにあるというからな。
最終バス、というか一日2本のバスの出発時間は3時15分、風呂を15分で出て館内の食堂で
酸ケ湯ソバ。
窓の外の雪が良い景色だ。
バスの一番前の席に陣取って、酸ケ湯温泉・・・グッド・バイ。
雪の壁も見納め。
途中で見かけた青森県立美術館の建物、この奥に三内丸山遺跡があるらしく、時間があれば寄ったのにな。
17時22分の新幹線が出るまでのあいだに、「魚っ喰いの田」という名の食堂で特選おまかせ海鮮丼を搔き込み、
リンゴのタルトのお土産を買っても、どちらもキュンパスを見せれば200円オフのサービス。
”空は青く雪は白く、林檎は赤く女達は美しい国 それが津軽だ” @青森出身の石坂洋二郎
良い旅だったな。
時間通りに「はやぶさ」がやってきて 一眠りしてたらアッと言う間に東京駅。
熱海行きの東海道線に乗り換えて横浜駅の改札にキップを通すと 又戻ってきて、今日中ならまだ使えるのか・・・なんなら熱海まで行きゃよかったかな。