節分も近いし鬼退治に鬼が岳に登ろうと またメイの子供を誘い、こっちは一年中日曜日だけど アッチは土日しかいけないと言うんで現役優先。
もうスタッドレス履いたレンタカーを借りるのもメンドくさいし、10時過ぎりゃ道路の凍結も緩むだろうとゆっくり出発して、御殿場から東富士五湖道路。
昼過ぎに上に着いたほうが富士山が逆光にならなくていいんだよ、となんでも自分の都合の良い方に解釈するタチ。
この上の高速ができれば、10分は早くなるのに、工事してんのか?
オイ!凍ってないか?
昨日だって 横浜に雪がパラついてたからな。
融雪剤?撒き過ぎだろ。
河口湖の日陰の方はまだ雪が残っていて、こりゃ楽しい雪山登山になるぞ。
西湖根場浜の小さな無料駐車場は、10台くらいのスペースに1台分だけしか空いてなくてさすが日曜日。 向かいの魚眠荘脇の道を通って・・・しかしこの宿のネーミングは秀逸だな。
あれが雪頭ヶ岳。見えないけど、鬼ヶ岳はあの奥。
だけど ゼンゼン雪ないじゃないか。
登山道には雪が残っていて 早めにチェーンスパイク履いて行こうぜ。
「クマいる?」
いるよ。最近は冬眠しないのもいるらしいっていうからな。
前に学校に登山部があったらすぐに入ってたと言ってたメイの子供に なにか部活やってるのか?
「なにも。生徒会やってる」
マジメだな。どこの血統だ?
全国大会に出るような部はあるの?
「チアかな?」
え~、共学なの?
「いまはほとんどそうでしょ」
見覚えのあるブナの巨木のヨコを登ってると もう降りてきた夫婦連れ。
何時ごろ上り始めたのかと聞くと7時って オレたちより4時間近く早いやないか。
「富士山も 雲に隠れちゃいましたし」奥さんがカワイソがって言ってくれて、確かに途中で眺めた富士は雲に覆われてたけど、いいんだよノーマルタイヤなんだから。
寒いと思って厚めのピチピチのタイツを履いてきたら、足の筋肉が締め付けられてダルい。
風がなく、むしろ絶好の登山日和は上を脱いで2枚だけ。こんなの履いてくるんじゃなかった。
アンタ、汗かかないの?
出発から同じ服装の子供は、脱いだり着たりの体温調節も必要ないのか。
道端の雪をすくってフワフワだよと言いながら食べようとするので、
ヨセ、この辺のはまだ汚れてるぞ。もうちょっと上の方にいってからにしろよ。
都会っ子だな。
子供の後ろを付いていって、
これ、道か?
「あっ違った、そっちだ」
逆のケースもあって二人で行くと、道迷いの確率も相当減る。
「あっ、富士山出てきた!」
今のうちだとパシャパシャ。
出発して2時間半近くかかって雪頭ヶ岳。あと30分くらで鬼が岳だろ。ここでオニギリ食ってこうぜ。
下に見えるのが西湖。
あっちは河口湖だな。
木々の新しいいぶきの芽は、いいな。
赤い実が朽ちたノイバラの棘に刺されながら場所を確保し
イクラ醤油漬けと鮭のオニギリを食べ、皮をむいてあるお手軽りんごで、さあ もう一息だ。
♪アルミの階段昇る~
その先にツノが生えた鬼が岳 標高1738m。
鬼は~外!
富士山も入れて もう一度!
このあたりの雪ならダイジョブだろとすくい都会っ子のマネして食べてみたら、子供の頃の味がした。
反対側は 甲府盆地。その上を覆うように南アルプスの威容。
雪頭ヶ岳まで戻り もう2時過ぎてるぞ。
暗くならないうちに早く帰ろう。
おい滑るなよ。
と言ってる先から、アッ!
アッブネ~。
何事もなかったように・・・
もう少しだ。
ウシロからガタイの良い男性二人組がズシンズシンと地響きを立てながら追い越して行って、地面が揺れてるよ。
「クマ鈴、鳴らしたてね」
このまえ会ったジーサンは「クマ鈴ならしてるのはシロートだって言ってたけど あいつらのほうがクマだよな」
麓まで降りてきたら赤い消防車が狭い取り付け道路を上がっていったと思ったらすぐに戻ってきて「鬼が岳まで行って来たんですか?雪はどうでした?」
エッ、遭難かなにかあった?
「いいえ、偵察です。巡回してるんです」
「行く時に中に乗ってる隊員のカオを見たけど 遭難っていうカオじゃなかったよ」
冷静だな。
久しぶりの「いずみの湯」
コロナ禍?で最近は土日しかやってない?
日曜に来るのも案外捨てたもんでもないか。