叔父の通夜に行く前に 故郷の信州のホテルの一室に入り 喪服に着替えながら TVで菊花賞見物。
軸馬に買った14番が、4コーナー手前で先頭にたったまま逃げ切り ヨシッ!
天竜川を見下ろす丘に建つ母の実家で92歳で逝った叔父の顔を見たら、どうしてこんなに涙がでるんだろうというくらい、母やオヤジが死んだ時よりよほど泣けて泣けて、それはオレが歳をとったということなのか?
子供の頃 叔父の後を追いかけて遊んだことなどが次から次に思い出されて涙が止まらなかった。
杖や白髪の親戚や、久しぶりのいとこ達とも昔話や近況報告、葬儀の場とはそういうところでもあるな。
今はもう取り壊されて空き地になってるが、この門の下のところに郵便局があり、叔父もおじいさんも代々郵便局長。そこにおおきな棗の木があって、郵便局の屋根に登ってその実を採って食べた味が忘れられずに、ウチにも棗を植えてるというわけだ。
子供たちは皆、家を出ており 叔母さん一人残されて この松をどうしたらいいの?
北陸の方から一斗缶に入れたイカを運んできて 松の周りに肥料として撒くと聞いたことがあったけど。
よく晴れた翌朝、焼き場までのマイクロバスの窓から 風越山が見える。
地元の皆さんが集まって 出棺の見送りをしてくださり
午後から 告別式。
この家は代々 神式で、神主さんが取り仕切る。
葬儀場に流れていた 「ツナミ」や「千の風になって」がしょうひちりきに変わり、榊を捧げ 二礼二拍手(忍び手)一礼。
忍び手とは、右手の親指をそっとずらし 音を立てないように打つ拍手のこと。
終わったら また両手を元の位置に合わせて一礼する。
親族の告別式が終わると葬儀式。
たくさんの方々のお参りいただく列がひきもきらず、榊が足りずに使いまわし?袈裟姿のお寺のお坊さんまで榊を上げていただき
4時半、長い一日が終わって、
母の5人兄弟の一人残された下條の叔母に、またすぐに葬式で呼ばないでよと言い残し、喪服を着替えて夕闇の迫る故郷をあとにしながら、こういうのは順番なんだよな、しょうがないよなって・・・