昨日、スマホの雨雲レーダーを覗きながら「この雨はゴルフ終わる頃にやみそうですね」と言ってた若いのに
”もうちょっと上の、山梨のほうも見せてよ”
雨雲は海沿いを走っていたが、山梨のはしっこのほうにもかかっていてマズイな。
ちょっとでも雨が降れば、峠は雪だろ。行く予定の大峠は、それでなくても12月の10日で来年の4月まで閉鎖するが、雪が降ればもっと早く閉めますって、山梨の林道管理局の人が言ってた。
少しでも雪が見えりゃ、ノーマルタイヤじゃムリ、ゼッタイに引き返そうとドキドキしながら真っ暗な峠道を40分、無事に駐車場まで着き、霜のついた下草を踏みながら月明かりの中を登り始めたら 東の空が明るみはじめ、左手に富士山もドーン。
雲海も見えるじゃないか。
雲と霧と雲海の違いは、下から見るのと、只中で見るのと、上から見るのの違いだってどこぞの気象予報士が言ってたな。
ここは、9月にも登ったが、あいかわらずワイルドな山道。
クルマから降りて登山靴に履き替え、そういや、靴紐の結び方を教わったなと思い出しながら左右のわっかを反対にして、それからどうすんだっけ?結局自己流のグルグル結びにして、なんでも基本をしらないでテキトーにやってよくここまで生き延びられてきたもんだ。
朝日が差してきたが、梢を渡る風の音が寒そうに聞こえる。
尾根まで乗り上げた、ここまで1時間20分。
すぐに黒岳。このまえ登ったのは御坂黒岳。こっちのほうの標高は1988mで200も高いのに 人気はあっちのほうがある。
大月の町の上にかかる雲海を横目に
着いた!
森を抜けた先は、眺望280度の白谷丸。
ずっと右手に八ヶ岳。
甲府の街の向こうには、南アルプスと赤石岳。
そして富士山。
反対側から、山ガールが元気よく上がってきて アッチの峠は手前で通行止めのはずだし、どうやってこんなに早く登ってこれたのかと聞くと、昨晩は湯ノ沢峠の避難小屋に泊まった?
胸に伊吹山と入ったシャツ、関西から来て このアタリは初めて、大菩薩まで行きますというので、途中に日本で一番名前の長い山のウシオクノガンガハラスリヤマ・・・その先は小金沢山 標高が2014mで2014年には賑わったそうだよとノーガキを垂れれば「2017年の雲取山みたいなもんですね。今度は2035年の西吾妻ですかね」
2035年て・・・それまでぜったい生きてねぇな。
ダイジョウブですよ。お元気で山に登ってるんですから とお世辞を言われてもムリなものは無理。
帰り道、向かいは ただのガンガハラスリヤマ。樅ノ木林の下はウッドチップを敷き詰めたようにフカフカ、木漏れ日の林の中を落ち葉を踏んでただ一人行くのは なんとゼイタクな時間だ。
時々立ち止まって、ちょっと冷たい空気を胸一杯吸い込めば アト15年くらいは生き延びられそうな気もしないでもないけど、こればっかりはな~。