というやむをえない事情により、雨覚悟の谷川岳行き。まあ一面のモヤの森の中を歩くのもオツだろう。
途中の高速は、豪雨速度制限表示出ていて 道路はびしょ濡れだったが すでに降ったあとのようで、水上インターを降りれば ご覧のように渇いていてこっちは降らなかった模様、ロープウエー下の駐車場にクルマを入れたが、以前に来たときと比べると驚くほど台数が少ない。コロナの影響か、雨模様のせいか・・・
現在地から20分ほど車道を歩き、マチガ沢沿いを登る厳剛新道、途中で日本三大急登といわれる西黒尾根にぶっつく。帰りはぐるっと廻ってロープウエーで降りてくるつもりだが。
ここは、2年前の梅雨晴れの六月に一度登っていて迷うシンパイなし。
迷うこと前提で、その時ャ大きな木に抱きつけと言ってたヤツがいたけど まあ ありがたく受け止めてと。
虫除けのスプレーをシュッシュしてイザ出発。
山道が川になってるところを滑らないよう慎重に飛び石伝い。
もうポツリポツリ、少し早くないか?こんな湿っぽい日は虫のシンパイすることなかったか。まあ、早目に降りゃ早く上がるとあくまでも前向きに考えて
2年前の経験から、途中の見晴らし台まで1時間、西黒尾根と合流するガレ沢の頭まで1時間、それからザンゲ岩まで1時間でサイゴ1時間で頂上、計4時間と踏んだが・・・
なんか疲れるな。2年前は初めての道で緊張してたからかな。それともコロナで怠慢な生活をしてたから?
やっぱり2年分、歳をとったというのが一番大きいか。
雨の音はするが 両側からせり出す木の枝に覆われて まだダイジョウブと思ってたが いよいよ降ってきて
大きな木の根元にどっこいしょと座りついに一休み。カッパっをとりだして上下着用しリュックにも雨のカバーをつけてと。
ヨコからマチガ沢の雪解け水の大きな水音、上の梢からは雨音、時々鳥のさえずりが聞こえて ダレもいない、ダレも来ない。
どうせ早く帰れないんだから ゆっくり行こう、時間はたっぷりある。
予定より20分遅れで見晴らし台着。マチガ沢の雪渓は拍子ハズレの少なさで2年前は沢全体を覆っていたが
一ヶ月遅いからか、今年の暖冬のせいか・・・
かなり疲れて、もうここから引き返して温泉入って帰るかとちらっアタマをかすめたけど やっぱりペンキ屋さんのことを考えるとそうはいかないな。
雨は相変わらずショボショボ降り
♪ 雨が~窓を打つ 私の~胸を打つ~
矢吹 健 だぞ 知らねぇだろ。
あっ、カニコウモリ。
赤石岳で ガイドさんが葉っぱがカニやコウモリに似ているからと教えてくれれば 大阪のオバちゃんが「カニかコウモリのどっちかにすればいいのに」 セッカチきわまってるだろ。カニが咲いてるとか言うのか?
エチゴキジムシロ?違うような気もするけど。
雨にぬれた岩は、鎖を頼りによじ登って
うしろを振り向くと、去年 谷川岳に初雪が降ったと聞いて その姿を見ようと登った白髪門が見える。
鉄梯子を慎重にやり過ごし、
雲の湧く山をバックに咲くクガイソウ。ヤッパリ箱根の湿性花園で見たときより自然のものはいい。
もう両手の指先で岩を掴み 鎖をフルに使って上るが息が切れることハナハダシイ。
鎖を掴んだま右左にユ~ラユラ。
鎖を頼るな、鎖は補助だというが、そんなこと言ってられない。鎖が切れたら一巻のオワリ。
右手に見えるマチガ沢も大分上のほうに来た。
左からザンゲ岩、トマ、オキの谷川岳頂上。
タテヤマウツボ草
崩落地は2ヶ所、ロープには手が届かないし、まさかこれで大岩が落ちるのを阻止しようとしてるんじゃないだろうな。
お~、やっと抜けた。
西黒との合流地点、ガレ沢の頭。予定より1時間半も遅れているが まあゆっくり行こう5時が最終のロープウエーにはヨユーだろ。ここまでは人の姿を見なかったが、ここからぽちぽち 結局6人に道を譲った・・・というか追い越された。
西黒尾根のピークを過ぎた左のあのあたりが合流地点。
アッチの山のほうは明るい、このまま雨が上がってくれれば・・・もしかして頂上に着く頃には快晴になるんじゃないかという勝手な願いも まったく言うことを聞いてくれずに 結局カッパを脱いだのは車まで戻ってからだった。
カラマツ草。カラマツの葉に似てるから?
ヤマブキショーマ。
裏返った笹の葉に雨粒。
高原の女王の別名があるシモツケソウ。
岩のスキマに咲くヒメシャジン。
イブキジャコウソウ。
今日はあわてることもない、近くによって香りをかぐと 雨の中に秘かに麝香の香りをかいで大満足。
ハクサンコザクラに似てなくもないが。
ニッコウキスゲがけなげに一輪。
谷川特有の蛇紋岩、掴むところがあればなんとかなるけど。
フ~、大分登ってきたと、うしろを振り返り一休み。
ここにもヒメシャジン。街の園芸屋で買えば結構な値段がする。
向かいの天神尾根。ずっと先にロープウウエーの駅が見える。
黄色の矢印通りに どっこいしょ。
滑って右ひじを強打。イテテテテとさすればなんともなく、ゴルフクラブを振るようにウデを
振っても違和感ナシ。人間の骨は大したもんだとジガジサンしたが 帰りのクルマの中で触ったらイテッ、いわゆる打撲だな。このほかにも2度滑り、一度は身体が右にくるっと廻って右足フクラハギを岩に強打、そこも今日になって痛ぇ。これでゴルフ行けるかな~。
ウツボ草の群落。
第三チェックポイントのザンゲ岩だ。やっとかよ。
いろいろザンゲすることあるけど、とりあえず一休み。
座ったヨコに露をまとったハクサンフウロ。
谷川岳のシンボル的存在の道しるべ。
雨もよいで水は持ってるし、肩の小屋に寄らずに頂上へ直行。
コイワカガミも間に合った。
景色もなんにもないトマの耳でウシロの人に撮ってもらった。
ロープウエーで天神尾根から来たひとたちで結構なにぎわい。
あれがその先のトマの耳、あそこまでもう一フンバリ。
ミネウスユキソウ。
これが見れて あとは虫取りスミレだが、もうスミレって季節じゃないしな。
まあ2年前に見たところまでは行ってみるか。
1977m 最高峰のオキの耳、予定時間2時間過ぎてるが その先の奥の院まで。
2年前におばさんに教えてもらって虫取りスミレを見つけたのはこの辺りじゃなかったかと探したがヤハリ季節が一ヶ月違い まわりの草も伸びてみつからず。しょうがないか帰るか。
トマの耳をバックにミヤマウイキョウ。
キオン。
ニッコウキスゲは、あちこちに咲いて楽しませてくれた。
キンポウゲか?
肩の小屋で水一本仕入れていくかと立ち寄ったら
ついラーメンに目が行き、醤油ラーメン400円なり。
オニギリは雨の中で立ち食いしたが、ハラ減った。
さあ帰るぞ。
天狗のたまり場で、若い人が休んでいて
雨だし、このまま行くか。
しかし身体は かなりキテいて、途中の道端の岩に腰掛けたら、もう腰が立たない。
だけどこのままじゃいつまで経っても帰れないぞと重い腰をあげてトボトボ。
ロープウエーの駅に辿りついたのは3時!延々9時間かかった計算だ。すぐに家に電話を入れ一番気がかりだったことを・・・
「ペンキ屋来たんだろうな、雨降って来なかったとか言うなよ」
ヨケイなシンパイをすることもなく ちゃんと仕事をしてったそうだった。