しかし、なんだってこんな無粋な名前の山なんだ?ケナシヤマ・・・

ハゲになんの尊敬もソンタクもない・・・大体が山の名前にロマンを感じて登る山を決めてるオレにとっちゃ、いささかの食指も沸かない山だったが、他人の登山日記を読んでたら 富士山周辺には同じ毛無山というのが3っつあって、ここが雨ヶ岳、竜ヶ岳に続く天子山系の中でも一番高い山らしい。

 

まあ、毛無山というくらいだから山頂はハゲ山なんだろと思い込んでたが、どうも麓に昔の金山の精錬所があり、金を精錬するのに木を大量に切って使ったから 禿山になって毛無山?

それなら、まちがって金のカケラの一つも拾えたら というヨクがロマンに勝ち、東名新富士から西富士有料道路を遡り

 

アレが毛無山か?丁度当たり始めた朝日に、頂上付近は白っぽく、このまえ降った雪が残ってるな。

まあそれも目当てのひとつだからな~。

 

7時半出発。

歩き始めてすぐに 精錬所あとが現れ、打ち捨てられた金鉱石の破砕機。いつごろの時代のもんだろ?

一応、まわりを見渡したが光るものはなく、

 

 

さあ、今日は長いぞ。

まあ帰りはゆっくりでいいんだからと思えば、キモチにもヨユウができるってもんだ。

 

 

 

滝があるのか・・・

 

一合目、まだ毛がフサフサしてる頃・・・

しかし この合目をあらわす標識はハゲみになった。

 

 

どこが15分じゃ、とつっこみを入れたくなるような時間がかかり やっと滝の音が聞こえてきて不動の滝到着。

 

滝見物をしながら一息も二息も入れ

 

岩場もロープもたくさんあって、左手にストック、右手でロープを掴んで登ると50肩がイテテ・・・

 

やっと4合目。コースタイム2時間半と書いてあったが、もうかなり時間を食ってる。

 

つららに立ち止まり、

 

 

トリの声が聞こえたといっちゃ立ち止って、上を眺めれば風がまったくない青空が拡がりキモチの良い登山日和やな~。しかし鳥は飛びながら鳴くのか?

そういや、寺山修司に、

「カモメは飛びながら歌を覚え、人生は遊びながら年老いていく」 って競馬協会用に書いた詩があったな。

 

4合目先にあったレスキューポイント。

なにかあったら、ここでヘリプターを待てばいいんだな。

 

こんな狭いところじゃ羽根が木につかえちゃうだろ思ったが、そうかロープを垂らせばいいんだ。

 

2時間近くかかって5合目。古いホーローの看板にはマツダランプ?東芝も一回りしちゃったしな~。

 

どんだけ?というほどの荷物を担いでる人は、「トレーニングのためです」

この山は、結構急登が長く続き、冬山用のトレーニングには持って来いの山だそうだ。

 

 

樹間には雪が少なめな富士山が見え、

 

 

こちらはそろそろ雪がでてきて、持って来たチェーンスパイクを装着。

 

8合目を過ぎた先に、富士山展望台があって、

 

オレを追い越して行った高校生の二人組が「良い景色ですね~」

 

やっぱり富士山だな。

 

さっ、もう一息と出発したら もう降りてくる人が 上で待っていて 「どうぞ」と道を譲ってくれる。

こっちも一息つきたいから”ドウゾドウゾ” ダチョウクラブか!

その人がすれ違うとき オレを見て「お元気ですね」

 

どういうイミや!というか、そんな歳にみえるのか。

なんか電車で席を譲られたような気分・・・一回しかないけどな。

 

 

やっと稜線に出たら 完全な雪景色。

左手の小高い岩に両手をついてよじ登ると

 

南アルプスがずら~っ。赤石、悪沢、塩見、右手には白根三山、甲斐駒、八ヶ岳まで見えた。

 

一番上は一合目で脱いでリュックにしまったままの快適な稜線歩き、足跡を辿ってずんずん行けば

 

もう少し・・・

 

着いた!1946m毛無山。

スマホを見ると11時半?7時半出発だから延々4時間も歩いた計算になる。

 

去年の赤石登山で足が動かなくなった原因はハンガーノック 通称シャリバテだとあとになって知り、

これは山登りは日常生活とは比較にならないほどのカロリーを消費するから、きちんと食べ物をとらないで激しいエネルギー消費をすると血糖値を下げチカラがはいらなくなって動けなくなるという・・・

あの時は疲労で胃が食べものを受け付けなくなっていてロクに食べてなかったからな~。

 

 

今日はそのテツを踏むまいとリュックにファミマで買ったバウムクーヘンやフィナンシェを詰め込んで休むたびに食べてきたから、山頂では写真を撮ったきりでユーターン。

気温は零下1度。

 

 

リス?木の下まで続いてた足跡はそこでパッタリ。梢を見上げてもそれらしき姿は発見できなかった。

 

ザックザック、心地よい音を響かせながら雪道を戻れば、

 

稜線との合流地点、同じ道じゃおもしろくない、少し遠回りになるけど調べておいた地蔵峠まわりで降りるかと足を踏み出したら、

 

エッ。通行止め?

それでも足跡はあるし、なんとかなるんじゃないのと下りてると、雪がいよいよ深くなって、足跡も細い。

この足跡、もしかしたら地蔵峠に曲がるんじゃなくて、逆の下部温泉のほうからのじゃないのか?

珍しく冷静な判断ができ、30mくらい下ったところからヒーヒー言って登り返し、来た道を降りることにした。

 

富士山展望台に戻り 雄大な景色を眺めながら岩を背に腰掛て残っていた焼きサバのオニギリをパクパク、今日は食欲がある。

右手には駿河湾が霞んで見えて、

 

富士山より高くにパラグライダー?

 

すれ違った二人組に ”これから?どこかにテント張るの?”と聞けば

「ええ、稜線のどこかに・・・ 雪はありましたか?」と逆に聞かれ、いっぱしの山男風に答えておいたけどな。

 

12時山頂を出発、3時間がかりで降りてきて麓の精錬所跡をもう一度 見回し、

 

えんえん8時間近くも山をホーローしてたのか・・・

行く時にも拝んだ麓の神社に無事帰還をお礼して

 

富士山の見える日帰り温泉に浸かり

 

 

東富士五湖道路を御殿場に抜けて帰ってきて

 

 

 

マゴにオミヤゲの金鉱石を手渡せば

「金じゃないじゃない」

なに言ってんの、それを細かく砕けば金がでてくるんだよ。

 

ヨコにいた娘がマゴの手から石を掻っ攫ってスマホで検索し、

「だいぶ違う気がするんだけどね~」

 

 

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