昨日の碁会は3勝5敗とコテンに負け、
オレ、明日 朝早くヤマ行くから帰る と さっさと日暮里をあとにし、
今朝はまた 夜の明けないうちから圏央道、中央道を走って都留インターで降り
”芭蕉月待ちの湯”の駐車場に滑り込んだ。
日曜は天気ヨシ、だが手首が痛いからゴルフやめてヤマに登ろうと決め
碁会のヌケ番に どこかいいとこないかと、富士山の見える山というのを検索してたら
「二十六夜山」がヒット。読み方はそのまんまの「にじゅううろくやさん」。
なんとも気のそそられる名前に、クルマを停めるところを探したら、麓に「芭蕉月待ちの湯」
ここしかないだろ。大体が名前で決めるタイプだからな。
早速温泉に電話して、”ヤマに登ったあとお風呂に入るから駐車場にクルマ停めさせてもらえないか?”と聞けば 「第二駐車場にどうぞ」
山登り組は冷遇されてるのかとひがんだが、今朝P2に停めたら そこのほうが登山口に近いやないか。まったくゲスの勘ぐりもいいとこだった。
しかし今日は身体がよく動く。
これなら12回をフルに闘えそうだ・・・ドネアじゃないっつ~の。
新しい丸木橋だな。きっと何度か来た台風で前のが流されたんだろ。
ちゃんと滑り止めも彫ってあって木屑が近くに散乱し、できたてのホヤホヤ?
しかし初めて登る山というのは、いいな~。
♪ だれもが物語り その1ページ目には 胸はずませ入ってゆく
イルカも歌ってたな。
そういや今日は 新天皇のパレードがあるんじゃなかったか?
時々道がわからなくなり、手前を見て全体を見回して、コッチだなとフミアトを探すのも楽しい。
ここは流されなかったんだな。
昔、この大岩のカゲでカッチャ坊という坊さんが修行したあとだと説明にあったカッチャ石。
細いつっかえ棒が上出来・・・
そこからすぐのところ仙人水。
あちこちで水場をみたが こんなにイキオイ良く出てる水もそうない。
これも台風の置き土産?
仙人水を過ぎたあたりから急な登りになり、足色も鈍りがち。10ラウンド目くらい?
だからドネアか!っちゅうの。ダレが5階級制覇やねん。
息を止めると せせらぎの音は下のほうに小さくなり、聞こえるのは鳥のさえずり。
まあゼイタクな時間っちゃゼイタクだ。
尾根道に出たか?変化に富んだ山道は いままで経験したなかでも上位だ。
行く手に太陽が上がってきて、そろそろだな。
廿六夜と彫られた石碑。
そもそも二十六夜とは、陰暦の正月と7月の26日の夜のこと、
その晩に月の出を待つ二十六夜待ちという江戸時代からの行事があり、ここの村人達は 明け方近くの月の出を待ちながら、山頂で飲食をともにして道志山塊から上がる三日月を拝む風習があったとかで、昔から民間信仰の山だったのか。
一説によると、集まったのは村の女性達だけで 朝まで山頂で月に姿を映す三体に割れた阿弥陀・観世音・勢至の三仏を拝み、願いごとをしたというが、もっと興味深いのは、この山を花の百名山に選んだ田中澄江の深読み。
それによれば、都留市周辺の隠れキリシタンが二十六夜にかこつけ、仏を拝むと称して秘かに山上に集まり、マリアへの祈りを捧げたのではないかというもの。
あ~~~、見えた富士山。
途中では一切見えなかったし、東側は薄い雲がかかり期待をしてなかったが
頂上に着いたら、先週よりハッキリ、クッキリ。
昔の村人か女性達か、隠れキリシタンも 二十六夜の月と一緒に この富士山をながめたんだろうな~。
コースタイム通りの二時間で登れるようになって、少しは山登りに慣れてきた?
サッ、さっさと降りて温泉だ。
しかしダレとも会わずに、ちょっぴりさびしいと思い始めたときに チリーンチリーンとクマ鈴の音がして
第一山人発見。
上で富士山がキレイに見えましたと言っても、何回も登ってるらしく そうでしょう、という反応。
登ってる時は あたりを見回すヨユーがなかった?
こんな岩から生えたブナ?の木を発見したり、
この小さな社も見落としてた。
オレのバカの大足より数倍でかいホウノキの葉?
流された丸木橋の残骸も発見。
アレが、登ってきた二十六夜山かな?
そうして、お待ちかね、「芭蕉 月待ちの湯」に飛び込み
もらったパンフレットに目を通すと、この近くに立ち寄った松尾芭蕉が読んだ句、
「名月の 夜やさぞかしの 宝池山」 が 温泉の名前の由来とか。
月に縁のある土地なんだな。
温泉に浸かり、施設の中の食堂で「月待ちソバ」 秀逸のネーミングやないか。
揚げたてのてんぷらは、ソバの上に乗せるとびちゃっとなるからとわざわざ皿にしてくれて
ところで芭蕉が詠んだ宝池山(ほうちざん)って山は 聞いたことがないけど どこにあるのかと聞けば、
それは山ではなくお寺の名前・・・
まあ物語の終りはこんなもんだな。
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