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古い友人に送った今年の年賀状が あて先不明で戻ってきて、あちこち電話をかけまくって探したら

「今、愛人ホームにいる・・・」

愛人の家!?

よくよく聞けば、人の字が違う愛ジンホームつまり老人ホームだった。



三月になり、ホームのある青梅近辺の観光案内が山ほど詰まった封筒が送られてきて

こりゃ、来いってことやないか。


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なかなか行く機会がなかったが、谷川岳の帰りに寄れば丁度いいだろと

いつものように東名を厚木で抜ければ、まん前に富士山、右手は大山。



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圏央道を鶴ヶ島で関越に入り 水上。

去年谷川岳に初めて登った時は、谷川岳という名前に緊張してたかあっと言う間に着いたが

今日は、腰が痛くなるくらい えらく長く感じた。



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去年来て、勝手知ったるロープウエーの駐車場にクルマを停め

一ノ倉沢まで3.3kmか・・・


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クルマは通行止めの 舗装された道路をテクテク。


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歩いて谷川岳の頂上に行くには、西黒尾根と厳剛新道。

どちらも恐ろしげな名前だ。


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去年の7月には、ここから9時間もかかって登ってきたが

今日はあとが控えてるから、一ノ倉沢まで。


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朝、7時。

9時半始発だという電気バスがここを通るらしいが 

西黒尾根を登ってゆく人をみたのがサイゴ、だれもいない。


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気持ちのよい6月の風に吹かれながら、

この景色、足も軽くなるってモン。

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ミズキの仲間?

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これは山ボウシ、ゴルフ場で見るのとはオモムキが違う?


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雨、曇り予報が良いほうに変わり、あわてて出かけてきたが

あてにならんのも、天気予報とゴルフのスコアだからな。

時折陽が射すが、曇りっぽい。


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エゴノキの仲間で白雲木(ハクウンボク)

その名の通り 最盛期は白雲がたなびくように咲くようだが

花期が終わりのようで、落ちた花びらで道路が真っ白。


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この注意書きも 県によって、それぞれなんだね~。

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お~、アレがマチガ沢か?


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町が!と叫んだのがマチガ沢の由来か?

てっきり、狐火かなにかを街の灯と見間違えたのが由来と思ってた。


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タニウツギのピンクの花が沢を覗いてるが

地方によっては、この枝で骨拾いの箸や黄泉に旅立つ死者の杖、

あるいは棺の蓋を止める木釘をこれで作ったりするので、忌み嫌われる木だとも・・・


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ここが厳剛新道の登り口か。

イッソ、行くかという衝動に駆られたが 今日のところは抑えて抑えて。


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マチガ沢からの流れ。


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ヤグルマソウ。葉っぱがヤグルマに似てるからと。

似たような名前の花なら知ってる。


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これも白雲木の終わりかけ。



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氷河の吐息は、あとでタップリ味わった。


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一時間以上歩いて、お目当ての一ノ倉到着。

上はやっぱり曇ってる・・・



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近くに設置されてた案内板。

晴れてりゃ、こんな感じか。




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サッ、行くぞ!

チェーンスパイクを履き、雪渓の上に乗り出す。

デコボコで、人の歩いたあとだかなんだかてんでわからないが

とにかく上の方へ・・・




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あのとんがってるのが衝立岩?


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沢を覆い尽くしてる厚い雪。



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こちら側にも知らない沢がある。


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右の一ノ倉沢と二つ並べて・・・


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ゴ~~という音がして飛行機?

じゃないな。

足元を見ると、深い穴の奥から水の流れる音と冷気が上がってきた。




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このままどんどん行けば上まで行けそうだが、

あの衝立岩の下まで行って引き返すか。


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このまえの極楽平と違って、スベリ落ちるシンパイはなそうだが、

ストックもナシ、落ちてた木の枝を拾って杖代わり、

この枝、タニウツギじゃないだろな。



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振り返ると、なんか異様に見える雪渓の上。

コレ、もしかしてナダレの痕跡?



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幽玄な景色だな。

ダレもいない。

ぜいたくっちゃゼイタクな世界。

ウシロ髪を引かれながらグッバイ。


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時折雲間から陽が射し、振り返ってもう一度パチリ。




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登るときは懸命でわからなかったが、

ヨコを見ると、白いかわいい花のサンカヨウ。

これは雨に濡れると透明になるんだそうだ。

水かけて撮りゃよかった。


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すぐ近くには、シラネアオイ。


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ショウジョウバカマも・・・

みんな、名前は聞いたことがあっても初めてお目にかかる花ばかり。


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ヒミツの花園?


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ここが一番狭まったところ。

こんなところでナダレに襲われたらひとたまりもないな。


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足を踏み外さないよう注意しながら、そろそろとヨコ歩きして下り、


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ようやく雪渓の入り口まで戻った。

沢もここで姿を現してる。


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ちょっと行った先の岩には、ここで亡くなった人のレリーフ。

谷川岳全体で800人、そのうち一の倉沢では300人ということだ。




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レリーフのあるほうからも一枚。


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10時に、駐車場まで戻る電気バスがあることは調べ済み。

これに間に合わせたくて、いろいろ画策した。

うしろに白雲木の花びらが散り敷いてるのもいだろ?

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八人乗りなのにガイドさんがいて、

満杯で降りてきたが、帰る乗客はオレ一人。

専属バスですから、なんでも聞いてください。



というわけで、撮った写真をみてもらって、花や木の名前を全部教えてもらい

そのほか、ここに書いたことの9割がたはガイドさんの受け売り・・・



谷川岳もザンネンながら頂上が見えなくてといえば、

「あそこまで見えてれば平均点以上ですよ。もっと見えない日のほうが多いんです」

途中まで行ってきたけど、あのまま上まで登れそうだったけどね~。

「ゼッタイムリです。ロッククライミングしないと上に行けません。」

へ~そうなの、知らないというのは恐ろしいな。




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土合駅近くのトンネルを見て、帰りはブンブン、関越 寄居saでヤツに電話しても出ない。

今日行くとは一言も言ってないが、突然行って驚かすか。

寄居の星の王子様のところでクッキーをオミヤゲに買い、

年寄りには似合わないオミヤゲだが、もしいなかったらウチのおみやげにすりゃいいかと思って・・・



係りの人に部屋まで案内され カオを見合わせても、オレがだれだかわからずポカーン。

そうだよな、30年ぶりだからな。オレは前の会社、40歳前にやめたんだから30年以上か。



家の柿の木を切ってたら落ちて足を骨折、入院費が払えなくなって家を売ったら大金が・・・

それでカリブ海クルーズとか豪遊してたらあっという間にお金がなくなって、今はここ?

80過ぎても、まだスペイン語を忘れないもんだねとペラペラまくしたてられても 

何言ってるかわかんねェよ。



あの頃、スペイン語を習いたくて自由が丘のスペイン語学校に行ったら

近くのマダムやお嬢さんばかりの中でオッサン一人だと嘆いてたけど、



まあ、元気でやってりゃいいよ。

来るのが遅くなってゴメン。

もう会うこともないかもしれないけど、長生きしてよと別れて

オレも一つやることが済んだ。