
前々から是非一度訪れてみたかった、御坂峠の天下茶屋。
そこからなら、太宰が師匠の井伏鱒二のお供をして登ったという三つ峠にも一時間足らずで登れると聞き
登山靴を買ってやるといっても、そんなことしたらしょっちゅうお供に狩り出される?とかたくなに拒むナニに
な~に、あそこならスニーカーでもハイキング気分で登れるよ、と イヌと一緒に誘い出して

東名から東富士五湖道路 富士吉田料金所、真正面に富士山が見える。

そこから御坂みちを甲府方面に遡り、途中から御坂隧道に抜ける旧道に入れば

なんだ、アレ・・・
カモシカ?!

あっちからもウシロにもクルマの姿は見えず、道の真ん中でストップ。
カモシカさんちょっと待ってよ、少しお近づきになりたいな~ とカメラを構えてクルマを降り・・・

怪しいものじゃありません。
ガードレールがジャマなんだよな~。
と、その時

パッと身を翻して 林の中へ・・・
名前ぐらい教えてくれてもいいのに。

クルマの外気温計は0,5度。朝7時登攀開始。
山は寒いから、一枚持ってけよとは聞いたが

雪があるなんてゼンゼン聞いてないわよ、と言われても
オレもまさかの雪。

イヌは楽しそうにヒョコヒョコ登ってるが
去年だか精進湖のパノラマ台に行った翌日、様子が変とイヌの医者に連れてったら
筋肉痛と診断され、オイあまり歩かせすぎるなよ。なんたって14歳の老婆犬だ。

犬のペースにあわせてゆっくりゆっくり、急ぐ旅じゃない。

聞きなれない鳴き声がして見上げと、オッ コゲラ!
キツツキの仲間で、以前はうちにも姿を見せ 柿や栗の木をつついていたが、最近はとんとご無沙汰。

下がぬかるんできて、ダッコ。
こりゃ早く行って帰ってこないと、ますます融けてドロドロになるな。
1時間弱でのぼれるというところを、2時間かかって やっと頂上下の山小屋着。

お~~~、いいなやっぱり富士山。

「どうにも注文通りの景色で、私は恥ずかしくてならなかった」 @太宰治 富嶽百景より
どうも、スナオじゃねェな。
人間スナオが大事。

そう言われたんじゃ、ハイ100円。
この景色、100円也か。

振り返って山荘越しの富士もいい、コッチなら150円!

ベンチでイヌのモグモグタイム。
向こうに南アルプスの山なみ、右手には八ヶ岳連峰。

はだしで冷たくないんか?

頂上直下の斜面より・・・

三つ峠の象徴のアンテナ群。
遠くからでも、アンテナが林立してるのを見ると三つ峠と識別できるのだ。

ここからも・・・

標高1785m 三つ峠。
オマエの人生、いや犬生史上 最高点だろ。

なんだよ、ドロドロじゃないか。
そのまんまクルマに入るなよ!
犬はあまり歩かせないようにと、しかしナニのスニーカーの裏はつるつるで下りはオレがダッコ係り。
足よりウデのほうが疲れて、ナニは登ってくる若い人達に「行ってらっしゃい」とかあいさつして
そんなベテランぶって言うんじゃない!。ふつうにおはようって言えばいいんだよ。

クルマを停めておいた先をちょっと行けば、昔 写真でみたような建物の天下茶屋。
昭和13年の秋、ここの2階で太宰が3ヶ月を執筆に過ごしたというが、この建物は3代目だという。

2階が資料館になってて、写真他が展示されてた。
建物のイメージは、まったく同じ。

太宰が過ごしたという部屋は建て替えられて今はないが、こんな感じで富士をながめたんだろうな。

この写真は初めてみた。
この茶屋でのワンショットだろうか。

滞在時、実際に太宰が使用したという机と火鉢。

津軽の生家。
学生時代、北海道旅行の帰り、友と別れて一人 五所川原から津軽鉄道に乗り
斜陽館という旅館になってたここに泊まった。

そうして茶屋から徒歩1分、石段を上がった先に 見たかった例の石碑。

真正面に見える富士の山と、リッパに相対峙してた。