
楮(こうぞ)三椏(みつまた)が和紙の原料というのは、
日本画専攻のタマさんに聞かなくても知ってるが、
その三椏の花が咲くと、山全体が三椏の香りに包まれるというミツバ岳。

丁度お彼岸の頃から咲き始めるというので、去年はムスコの結婚式の前日に
式のあいさつを覚えがてら登ったが、花はまだ2分咲き。

と言うワケで、普段の山行きは土曜にして日曜は休養に当てるというローテーションをワザワザ崩し
晴天続きの土日、一日置けばそれだけ花も開くだろうと、去年来て勝手知ったる滝壺橋のたもとから
朝6時、登攀開始。

早くも第一三椏発見!
去年見たところより、大分手前で咲いていて、この分なら期待が持てそう。

朝日の当たる、気持ちのよい山道を上がればポカポカ。
それでも、このまえの中国人の遭難騒ぎのとき
「山を侮ってはいけない」というダレかの言葉をかみしめ一歩一歩。

クルマを置いた丹沢湖が、もうあんなに下に見え、

去年も見た覚えのある看板を横目にあがれば、

あちこちに、三椏のキイロの花が咲き、
そもそも、ここにはふもとの小田原造幣局に札の原料として納める三椏畑があったそうな。
それで、ミツマタ畑がちじまってミツバ岳?マユツバのはなしだけどね。

カメラを構えてたら、上から もう降りてきた人がいて

おはようございます。
人のよさそうな、そのおっさんは聞きもしないのに
「上はすっごいキレイですよ・・・」

それは楽しみ、と一応は答えたけど、
そういう情報、今言わんといて・・・

上に登って、ワ~~という感動が楽しみで登ってるのに。

明るいブナの林を抜けた先に

それでも、オ~~っと声が出るほどのキイロの世界。

そこはかとなく甘い香りもして、

7時ちょっと過ぎ、到着。
朝早かったけど、すでに二、三人がカメラを構え
そちらに行けば富士山が見えますと教えてくれるオバさんもいて、
知ってたけど、親切を無にしないよう ホントですか?

ヤッパリ、一日待って 大正解やがな。

山全体がミツマタの香りに包まれるというのは、あながち大げさでもない。

みっつの又があるからミツマタ、ネーミングは単純だ。

さっ、温泉入って帰るかと思ったけど、まだ7時半?温泉は10時からだろ。
ゆっくりゆっくり下ってたら白いブナの木に混じって黒い・・・山桜?
上を見上げると、つぼみもまだ固そうで花にはまだ一ヶ月かかるな。

お~、ここからも富士山。
見る位置が変わると、山頂の形も違って見える。

名残のミツマタを見て、ゾクゾクと登ってくる人たちとすれ違いながら
「咲いてましたか?」と聞かれれば 控え目に「ええ」と答えて出発点近くまで戻ったら、

このキイロは、ダンコウバイ?
良い香りがする木というので近づいてみたが、あまり匂わなかった。
まだ咲き始めかな。

足元にはマムシ草か?

滝壺橋の上から3ッツの滝と、あの山が登ってきた山?よくわからんが。

去年も入った「ぶなの湯」は定刻より早くオープンしてくれて
ノーガキ看板には信玄の隠し湯で「美人の湯」
どこも似たようなことを書いてるが、まいっか。

暖かな まだ午前中、駐車場脇に咲いてたミツマタをサイゴに撮って
気温も上がったと屋根を開け、フクメンがつけてこないかとバックミラーをガン見しながら
国道246を走ってたら、

やや、富士山と桜のコラボやないか。
しかしサクラもいいけど、きょうのところは、富士山に似合うのはミツマタにしといてくれ。