
釣りに行きたいけど山と違っていろいろが面倒くさく、一人じゃ行けない。
子供に一ヶ月も前から連れてけと約束していた黒鯛釣り、朝から早く来いと何度も電話し
昼頃のそのそとやってきた子供のクルマに乗って、三浦城ヶ島行き。

餌とコマセを仕入れに寄った途中の釣具屋の親父が、「年間チャンピオンは、もう確定でしょう?」
春先に子供が釣った3.25kgの黒鯛の写真が店内に飾ってあり、な~にオレが今日破ってやるよ。

風もなく穏やかな海に、大物が釣れる予感・・・

右手に城ヶ島に渡る大橋が見え、これを渡った車は必ずまた渡って帰るから
最初から往復料金150円の支払い。

向かいのビルに当たる陽が大分落ちてきたのに、まったく当たりなし。
一時間経ち、二時間経ち サカナ、いねぇんじゃないの?生体反応がぜんぜんないもんな。
ウキがピクリともしない。

夕マズメのイッパツ勝負だよ。
そうは言っても、いよいよ日が翳ってきて背中がゾクゾクしてきた。
ホカロンを貼って、もうこうなりゃガマン比べだ!

来た!
子供の竿が大きく曲がって・・・
ウンッ?なに?
やりとりしてる子供も苦笑いして 引きが違う、フグ!

まあ、なんにも釣れないよりマシか。

アカメフグ。これだって専門に狙う釣り人もいて食えばうまいらしいが、なんたって毒持ちだからな。
天津坦々さんなら毒を持って毒を制して、うまく調理するかな?

それっきりで、またパタリと音無し。
向かいのビル群に反射した夕陽が海面に光り

それもつかの間、あかりが灯って ウキが見えねぇもう帰ろうぜ。
なにも釣れなくたって、そりゃ釣れるにこしたこたぁないが、まあ竿を出せば満足。

城ヶ島大橋の上の白かった月が黄色くなって、あ~あ今年もあと一日。