
冬に逆戻りしたような寒さ、山ほど着込んで囲碁会@日暮里。
75歳になる幹事長は几帳面でマメで、日時を決めみんなに連絡し
会費集めから賞金配りまでテキパキとこなして、どんな会にもこういう人が必ずいるな。
この人がオレと同じ長野県出身で、しかも飯田線沿線のオレが飯田で幹事長は伊那。
飯田線って名前がついてるくらいだから、飯田のほうが格上でしょう?
ナニ言ってんの?あのあたり一帯は伊那谷っていうんだぞ。
レベルの低い言い合いをしながら、昼飯はカレー。
伊那じゃ中学2年になると、みんなニシコマに登らされるんだ。
ニシコマとは木曽駒ケ岳のことで、伊那からは西の方角に見えるのでそう呼ぶんだそうだ。
オレんとこだって、6年生になればみんな風越山に登る・・・
ニシコマってどのくらいの高さかと聞けば3000m級?
負けたな、風越は半分くらいだよ。
それでも、どこの街にもジマンの山があるんだな。
風越山は、飯田の街を見下ろすようにそびえていて
オレが子供の頃は権現山って言ってたけど、飯田生まれなら一度は登る山だ。
小学校4年のときに、遠足で中腹の虚空蔵(こくぞう)山まで登り
6年になれば、頂上まで行ける。
登ってあの山のアチラ側に、なにがあるか見たいと思ってたが
その冬によんどころない事情で東京に出てきてしまい、頂上に立つことは叶わないまま。
帰省の折、この山が見えてくれば ああふるさとに帰ってきたと思い
車の窓からこの山が見えなくなれば、想いを断ち切ってすっ飛んで帰ってきた。
今度のお彼岸、墓参りに行くぞといえば、ムスメの二人目の出産予定日?
「どうぞ、一人でゆっくり行ってきて下さい」
いつかは登ってやると想いながら、
残り時間もどんどん少なくなって、想いを残したままじゃ天国に行っても寝覚めが悪い。
体力だって衰えがはなはだしい。
よ~し、この際・・・
碁の合間にネットを見れば、お彼岸の頃はまだ雪が残ってることもある?
本格的な山登りの格好した写真や、頂上直下にはクサリ場が・・・
往復で、6時間かかる? だけど、小学生でも登れるんだろ?
去年、三浦半島で一番高い山というのに登ったときは、ハーハーゼーゼー
帰りの下りはヒザがガクガク、カンベンしてくれといいながらおりてきたけど、
あれは標高250mもなかった。
まあ、シンパイしたって始まらねぇ。
こっちには強力なモチベーションがある。
早春の山の空気を吸いながら、50年来の、
正確にいえば、57年来の夢を果たせるかと
帰りの駅では、エスカレーターに乗らずに階段を上って・・・
あとは当日、天気になることを祈るばかりだナ。
談合して、賞金山分け。