
オジの初盆で故郷の信州行き。
ついでに駒ケ岳の千畳敷カールまで行って、高山植物の花の写真でも撮ってくるか。
(ちなみにカールとは、お菓子じゃなくて、氷河の影響で円形に窪んだ地形のこと)
ネットを見てたらクロユリが見ごろで、
「♪ 黒百合は~恋の花~」
織井茂子が歌ってたの、みんなも知ってるだろう。
撮れたらいいなァと読んでたら、この時期は混雑して
ロープウエーが2,3時間待ちもあるとか。
ロープウエーの駅までは、自家用車乗り入れ禁止でバスで行くしかない。
駒ヶ根駅始発が朝5時!
こうなりゃ、前の日に行って泊まるしかないな。
”法事と、どっちがついでなんだか”という声に送られて出発。
一昨日はごらんのような夏の雲が甲府盆地の上にかかってたが・・・

ロープウエーはシンパイしてた通り
雲の中に突入して、なにも見えない。
なんだよ、日頃のアレかァ?
ネットで見た、雲海の下に見えるはずの
駒ヶ根の街や、お花畑のバックにそびえ
る山々を写すという目論みもパー。

五里霧中の中、用意していった
ゴルフ用のカッパを着込み、
半分以上は本格的な登山の人達の中
で、こっちでいいんですかね~と道を
聞きながら、おそるおそる、千畳敷カー
ル周遊コースに足を踏み入れた。
なんつっても標高2600mだかんなァ。

ミヤマキンバイの群落。
晴れてたら、さぞやというような景色の中、

いきなりユリに出くわしたが黒くない。
アチコチに咲いてるかわいい花々を
眺め、写真に撮ろうとするんだが
なにせ風が強い。息を詰め、シャッターチャン
スを待ってたら、心臓がドキドキ、後頭部
がアレッ?
もしかしたらこれ、軽い高山病か?

雪渓なんかもあって、寒いやないか。
レンズに水滴はつくし、クロユリはどこや?
40分ぐらいで周遊を終え、そして・・・
なんだ、こんなところに、ついにクロユリ発見!

売店で、黒百合の球根を売っていた。2個入り。
これを咲かせてやるから、今に見ておれ。

石仏群の奥に見える、雲のかかったところから降りてきて
露天風呂に入り、信州駒ヶ根の名刹、光前寺へ。

ヨコに入ったところで思わぬ拾い物。
「森の妖精」と呼ばれる
レンゲショウマの群落。
皆が素通りしていくヨコに
うっとりする世界が拡がっていた。


そして、もう一つ、昔からウワサには聞いていたが
ここのお寺には「ヒカリゴケ」が自生しているという。

どうやって見ても光ってない。
なんだ?と思ってたら、ヨコの子供が「光ってる!」

見るところが違っていた。
看板の下の石垣のスキマに、なるほどグリーンに光って見える。
夕方になり、初盆のオジの家に向かおうとしたら
ホテルを出るのをためらうほどのザンザン降り。
しばらく待っていたが、時間に遅れると濡れながら出た。
そもそもこの山行きだって、オジさんへの供養。
その時、是非夏のお花畑も見ろとまわりの人に言われたのだ。
坊さんの読経が終わり、迎え火を焚こうと皆で表に出たら
すっかり雨があがった夕暮れの中
そのかわりにうるさいほどの蝉時雨が降ってきた。