
マッチ売りじゃなくて、長崎のザボン売りでもなく
ましてや、窓の外ではリンゴ売りでもない
黒スーツにミニスカのジャンボ売りが、黒ブチメガネで現れた。
「おっ、メガネしてたか?」
「近眼で、おまけに乱視なんです。いわゆるガチャ目ってやつですか?」
「どっちでもいいけど、間隔が近すぎやしねぇか?」
「えっ、目の間隔?」
「そうじゃなくてよ~、この前オータムジャンボはずれたばかりだぞ。
その前はサマージャンボで、その前はスプリング・・・」
「いぇ、スプリングはありませんから、え~とグリーンジャンボにドリームジャンボとこの年末ジャンボ」
「競馬と一緒で、重賞ばっかりだとありがたみも薄れるからな~」
「???」
「わかんねぇか。 ま、いいや。 じゃ 連単・・・じゃなくて連番で」
こんなものどうせアタリっこないし、縁起モンの熊手でも買うような気分じゃと言いながら
帰ってきて仏壇にあげて拝んだりして、下心マンマン?