
垣根の外に植えてるひまわりの
時々、クビが折れてるのがあったりして
今年は、強い風が吹く日が多かったからなァと思ってたけど・・・
まだ、明るさの残っていた一昨日の夕食前、
誰か来た気配がしたので外に出ると
最近、カメラ談義をした隣のアパートの若夫婦の兄さんが、カメラを手に
「ひまわりが・・・」
「そうなんだよ、風で折れちゃってね」
「いや、この人が折ってた・・・」
「エッ?」
見ると、やせ過ぎの40歳がらみの女の人が
「すみません」と小さな声でアタマを下げた。
輝きのない目は、”アア、このヒトもまた鬱屈を抱えてるなァ”
「欲しいんなら、持ってってくれていいんですよ」
そんな理由じゃないことぐらいわかっていたけど、つい言ってしまった。
夕食を済ませひまわりを見に行くと、隣の兄さんも出てきて
「いつも水遣りして大事にしてるの折ってるのを見たから、余計なお世話と思ったけど」
「いやいや、ありがとうございました。前に折れてたのもそうかな~?」
「どうしてあんなことするんですかね~?」
「ひまわりの輝きがうらやましかったのかな?」
「カメラで証拠、撮ったの?」
「あっ、カメラはとっさに持って出たんです。逃げられないように撮ったふりして」
「さすが~。 折られたの、昨日写真撮ったばかりなんだよなァ。あとで良かったか・・・」
心あてに たれかは折らむ 夏の日の
ひまわりの花の 深き愁いを