「女の子ならエリーだろ!」
と、オレが名づけた子犬が、来月の19日に17歳になるという。
すっかりおばあさんになってしまって
目は見えず、耳も聞こえないみたい。
オシメシートを敷き詰めた囲いの中を
ウロウロ歩き回っても、すぐにヨロヨロとヘタリこむ。
時々、「オイ、死んでんじゃないか?」と手を当てると
ビクッと反応するが、そのまま首筋を撫でてやれば又安心したようにスヤスヤ。
しかし、浮き出た背骨のゴツゴツした感触が手に残って
「随分、痩せたな~」
「食べてないもの」
柔らかいものを少し口にするだけで、
ナニが毎日医者に連れて行って点滴をしている。
夕方、お迎えに行き「まるで保育園に通ってるみたい」
と、明るく笑っているが、医者からはある程度引導を渡されてるようだ。
右手の包帯の下には点滴用の針が刺さったまま。
「来月の誕生日は、お祝いするからウチにいてよ」
あわててカレンダーを見たら水曜日。
「ダイジョウブだ!」
無事に、17歳を迎えられたらいいんだが・・・