ここは昭和27年の、いわゆる将棋の王将戦を舞台にした「陣屋事件」の場所でもある。
なにそれ?、生まれてない頃のことは知らないというあなたに解説すると
挑戦者、升田幸三は雪の降る日に旅館の玄関まで来たが、
呼び鈴を押しても、ダレも出てこず、
名人木村義雄との対戦を拒否して帰ってしまったというもの。
呼び鈴が故障してた、名人に香オチで指すのが憚られた、
主催する毎日新聞と朝日新聞との争いの背景もあり、諸説紛々で
真相はナゾのままだが、後日、升田は自分の非礼を詫び、
上の写真の色紙を持って訪れたんだという。
も一つオマケに上の大きな楠は、トトロの木のモデル。
宮崎駿監督は、ここの先代の女将のいとこで、
幼少の頃、この庭で遊んだ思い出からイメージしたと書かれてあった。
さて、ワレワレのメイ人戦、竹さんは緒戦から、ヤラセ、ガチンコ、ガチンコと3連勝!
「竹さん、絶好調だね~」
「蒙古の横綱よ、負ける気がしないね~」
調子に乗りやすいタイプだとは思ってたが、あとはヤラセが2戦残っているだけ。
いくらなんでも5連勝させたら、気づくかもしんね~と、オレが悪役になって一回勝ち
予定通り、同点決勝で負けて準優勝。作戦は大成功裏に終わった。
ごきげんの朝、早く起きて温泉に入るというので
「一人で大丈夫?あとで行くから・・・」
「大丈夫ですよ、年寄り扱いするな~!」
と言って出て行ったが90歳ならリッパな年寄りだ。
ところが、少したってから行くといない。
昨晩と今朝で、男湯と女湯が入れ替わっていたのを知らず、
女湯のほうに入っていたらしい。少しも大丈夫じゃね~な。
昨日、間違って飲んじゃって、今朝の分のクスリがないといいながら
朝食を山ほど食べて「もう、今日は食べなくていいな」
ほころび始めたサクラを見上げながら
「いい旅行だったね~、又来年、竹さんが生きてたら来ような」
と、それぞれの帰途についたのでありました。