「オイ、渚ゆう子、結婚したの知ってた?あの時、別れたのと・・・」

「え~そうなの、良かったね~」




”京都の恋”が思わぬヒットをして

その時、付き合ってて結婚するはずだった恋人と別れたと

何度かナニから聞かされていた。




春一番が吹いて、妙に暖かい帰宅時、

カーラジオから流れてきた「京都の恋」。

渚ゆう子の弟子スジにあたるという若い女性のゲストが

そんな話を紹介していた。




「40年ぶりだってよ~、

 一度別れた恋なんて二度としたくないとか言ってて」

「な~に、うらやましいの?」

「いやいや、ところで明日バレンタ・・」

「ダイジョウブよッ!」