太宰治が愛人と東京・玉川上水に入水心中を遂げた日と書いてあった。
京都の叡山電鉄は、始発駅「出町柳」の次が「元田中」。
麻雀に勝つと、下宿に帰る途中そこで降り、
東大路通りをちょっと下ったところにあった古本屋に寄って本を買った。
もう、大昔の話だ。
戦後すぐの頃に発行された本は、ザラ紙に印刷されていて、表紙もペラペラだが
太宰の遺作となった「桜桃」は、珍しくハードカバーで表紙の絵も洒落ている。
二人の遺体が発見されたのは、一週間後の6月19日。
奇しくも彼の誕生日だった。
サイゴの本の題名にちなんで名づけられた「桜桃忌」は
毎年、この日に三鷹の禅林寺に大勢の人が集まって営まれているという。
一度も行ったことはないが、今年で60回になるそうだ。