京都の左京区岩倉は学生街で
そこに”ポエマ”という小さな喫茶店があった。

ウエートレスのマリちゃんは
学生達より少し年上で、みんなを適当にあしらいながら働いていた。
40年も前のことだ。


ある日、隣の部屋に住んでいた”5回生”の近藤さんが
マリちゃんとデートの約束を取り付けた。
着ていく服がないからとオレのを借りにきたがピチピチでムリ。


デートの首尾はどうだったのか・・・
みんな興味シンシンだったけど、誰も聞けなかった。


ただそのあとも、なにもなかったように近藤さんはポエマに通っていたし、
マリちゃんも、店にあったステレオでいつもの
サルバトーレ・アダモの
”ブルージーンと皮ジャンパー”をかけてたナ。