冬なると一度はつぶやいてみたくなるこの句は
いつごろ言うのが正解なのかと、どうでもいいようなことが気になる。
やっぱり、冬来たりなばというから、冬場に言うんだろう?
冬場といってもいろいろある。
北海道のAnjiさんはもう冬眠中らしいし、
津軽のG・Gさんだってすっかり冬支度が終わっているようだ。
今年の関東地方はまだ冬という感じはしないくらい暖かいが、
来週の22日は冬至だ。その頃がふさわしいのか?
それとも立春の前あたりの方が似合うのかなどと考えながら検索ポン!
なんと、これは英国の詩人シェリーの「西風に寄せる頌歌」の結びの句
If Winter comes,can Spring be far behind?
を訳したものだという。
18世紀のイギリスのローマン主義を飾る三詩人キーツ、シェリー、バイロンの中の一人だ。
映画「ローマの休日」でパジャマを着たオードリー・ヘップバーン扮するアン王女が
ソファーに寝る前にひたすら詩を暗誦し、それをキーツと言うと、
ジョーがシェリーと言いなおす場面(反対だったかもしれない)があったが
あの、詩人だ。
シェリーはこの詩を題名のように、秋の西風に向かって詠んでいる。
夏を振り返りながら冬のあとに来る春を想っていて案外、せっかちだったのかもしれぬ。
これを木村毅という人が「冬来なば・・・」と訳し、
その後、If Winter Comesという映画が日本で公開された折に「冬来たりなば・・・」
となったそうである。
しかし、日本で秋に言ったんじゃアホかと言われるのがオチだ。
多分、原詩より、よほど日本の風土になじんでいるこの句は
寒さの一番厳しい大寒の頃にいうのがふさわしいのかな?
なにも手入れをしてない庭のユズの木に、今年も実がなった。
二つに切って、鍋の時にギュッと絞って入れると良い香りがする。
冬至の時のお風呂にも欠かせない。