ドン・ニューカムのことを知ってますか?
1962年、昭和37年にドラゴンズに初めて入団した黒人大リーガーだ。
前年の昭和36年、「権藤、権藤、雨、権藤」の権藤博が35勝という大活躍で
読売より1勝多い72勝をあげたが、引き分けの差で2位。
翌年の滑り出しもパッとせず、監督の濃人は、米国からこのニューカムとラリー・ドビー
という二人の選手をシーズン途中の6月に入団させたのだ。
ニューカムはこの年、37歳。
このあと81試合に出て、12ホームラン、打点43、2割6分2厘という成績で、
この年限りで球団を去った。
だが、初めて見る黒人選手は衝撃的だった。
身体は、ばかでかく、足は細く、迫力ある打撃フォームに驚いたものだ。
しかし、もっと驚いたことがある。
ニューカムは大リーグではピッチャーだったのだ。
1949年、まだブルックリンにあったドジャースで17勝を上げ新人王。
1956年、30歳の時にはドジャースの優勝に貢献してナ・リーグのMVP、
おまけにこの年、制定されたサイ・ヤング賞の初代受賞者となっている。
打撃もそこそこ良かったようだが、
それにしてもピッチャーやってた奴が、日本に来ていきなり4番を打ったんだから・・・
そんな時代だったんだろう。
結局、この年も我がドラゴンズは3位だったが
面白いのは、記録を見ると、そのニューカムが4イニングだけ投げていることだ。
あっちで投げてるんだからやらせてみろということだったんだろうが、
4回しか投げなかったのを見るとたいしたことはなかったんだろう。
オレも、そういえばそんなことがあったなあぐらいしか覚えていない。
このあとも、マーシャル、アスプロモンテ、デービス、モッカとか
沢山の外国人選手が入団したが、最初のドン・ニューカムのスウィングの印象は強烈に残っている。