そういえば、「桜桃忌」って今頃じゃなかったかなとふと思う。
太宰治が愛人と玉川上水に入水心中し、遺体が見つかった日、それは奇しくも彼の誕生日だった。死の直前に書かれた「桜桃」という短編小説が「桜桃忌」の名前の由来だが、オレは学生時代にその初版本を叡電「元田中」駅の近くにあった古本屋で見つけて買った。もう40年も前の話だが、想いだして、久しぶりに取り出し、他にもあることさえ忘れていた本と一緒に写真を撮った。
「太宰は好きにしろ嫌いにしろ、肯定するにせよ、否定するにせよ、これから後もながく読む者の魂に、不思議な魔力をもってなまなましくのっぴきならず迫ってくる」新潮文庫「走れメロス」の解説より
オレがさくらんぼの木を植えたのも理由がなかった訳じゃない。