イヌネコにしか心を開けない人たち (幻冬舎新書)


トリホン-犬猫
タイトルと著者からすると、きっとイヌネコ好きに批判的な内容だろう…

そんな気持ちで読み始めた。


精神科医の著者らしく、ペットブームといわれる世の中の事柄や、

アニマルセラピー、動物愛護について、客観的な視点で、整理し、問題点を指摘

しながら、何でペットにのめり込み過ぎる人がいるのか、また、その人たちのの行

く先、ペットロスについても分析はつづく…


読み始めて直ぐに、著者も犬や猫を飼っていることが解った。


犬や猫に心酔してしまうのはおかしい…

子供の代替としてペットを飼うのはおかしい…

などの問題を、「憂うべき問題」かもしれないとしながらも、著者自身も、でも、かわいい

ものはかわいいし…と、ぐるぐると想いをめぐらし、実際、飼い犬と猫に、心を砕く様が書

かれている。


もちろん、自分とは意見が違うと思う部分も何度かあったけれど、客観的に考えようと

する部分と心情のギャップ、そんな釈然としない想いを整理しようとしている本は、いまま

でなかった気がして、同じ目線で、一緒に考える本である。



イヌネコにしか心を開けない人たち (幻冬舎新書)  香山リカ著 2008