心療内科ラプソディ
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そろそろ夕食

今日もまた渡り廊下のベンチにいる。


私、結構な病気デパートで、これまで、脳外科やら内科やら外科やら…

いろんな病院に何度も入院してきたけれど、

ココほどする事が少ない科は初めてだ。

カウンセリングは毎日ではないし、朝晩の点滴があるわけでもない。


朝食を終えて、看護師さんから一回分の薬を渡され、

看護師さんの目の前で飲む。

口を大きく開け、舌をひっくりかえし、ちゃんと飲み込んだか確認される。

これと検温を終えたら次の用事は昼食。

同じように薬を飲んで、次の用事は夕食。同様に薬。

9時近くなったら、また同じように睡眠薬を飲んでベットに入る。


今日私がやらなければならない事はこれだけ。

世間に申し訳ない気分になる。


昨日はあれから何とかタンポンだけを買って病室に戻った。

そして、極度の疲労感を感じてベットに倒れこんだ。

ほんの数百メートルの往復だからカラダの疲れじゃないことは明白。

不安によるココロの疲労がカラダを動けなくさせてしまう。

声もかすれてしまうし、口に力が入らない。


そういう緊急時に飲む薬も、口に力が入らないからなかなか飲み込めず

…口からこぼれた水が胸をぬらした。

着替えるコトも出来ず、食事を取ることも出来ず…

ずっと同じ方向を向いて寝返りも打たずにじっとしていた。


自分が生きてる事自体が申し訳ない…

薬が効くまでの時間、その思いとの闘い…


すぐに治る時もあるのだけれど、昨日はなかなか治らず、

睡眠薬が効くまで、頭の中で自分が生きていることを謝り続けていた。

誰に対し許しを乞うているのか…多分、自分。

だから許してくれない。


幸い、目が覚めたら治っていた。


「おかえりなさい」

…「どうも、ただいま」

今、隣部屋の人と交わした会話。彼はここから会社に通っている。

ちょっとヨン様似で、入院中のおばさまたちにかわいがられ?ている。

毎日ピシッとスーツを着てブリーフケースを抱えて『ガッッシャンッ』と

鍵を開けてもらって出勤していく。残業があれば、ちゃんとこなして帰ってくる…

でも、心療内科に入院中だ。

ここには本当にいろいろな人がいる。


6時半が夕食の時間。食事は苦痛だ…

病室に戻ろう。







渡り廊下より

心療内科病棟に入院して一週間。

やっと外出がOKになった。

外出といっても病院の敷地内ならOK…

つまり入院病棟から出ることが許されたってこと。


ここは精神科・心療内科の専門病院。3つある建物のうち、ひとつが外来棟。 

残りは入院棟で、

ひとつが完全な閉鎖病棟…イメージ通り、鉄格子とまではいかなくても窓にはガッチリ柵がある。

もうひとつが一般病棟で、この棟の最上階が私の入院してる心療内科病棟だ。


一般病棟とは言っても出入り口はひとつしかなくて、

硝子の扉だけど妙に分厚くて鍵がかかっている。

そこから 出る時 はセキュリティー万全のマンションに 入る時 と同じ手続きを、する。

扉の横のインターホンで自分の住んでいる?!階の番号を押すと

その階のナースステーションに繋がり、部屋番号、名前、顔確認がキッチリとされ、

「どうぞぉ」という看護師さんの軽やかな声とともに《ガッッシャンッッ》と物凄い音がして

鍵が開く。  マンションに入る時には使っても、出る時にインターホンを使ったのは初めてだ。

【一般人に混じるのには許可が必要です】そんな風に言われてる感じがしてキツイ。


扉を出ると外来棟まで続く長ぁい渡り廊下があって、今、私はそこのベンチにいる。

少し離れたベンチでもノートパソコンを開いているおじさんがいる。

同じ病棟に入院してる人だけど、名前は知らない。


17年も続く過食嘔吐、そう鬱、パニック。3拍子揃えてこの病院にたどり着いた。

入院生活もまだまだ続くみたいだから

ここでの生活や病気の事、病棟にいる人たちの事…

いろいろと書いて行こうと思う。


とりあえず、今は久しぶりの開放感。入院している部屋の窓は大きいけど、

ほんのちょっとしか開かないから、久しぶりに風というものにあたった。

何て書いてみたけど、本当は嘘。

開放感どころかさっきから不安でたまらない。

ある程度自由になった事で不安が増している。

一番の不安は、売店。これからタンポンを買いに行こうと思ってるんだけど、

食べ物を見るのがコワイ…買って隠れて食べてしまいそうでコワイ。

誰かと一緒に来ればよかった。

買い物ひとつにこんなに怖がるなんて、はじめてのおつかいじゃあるまいし…

2年前まで、過食嘔吐と付き合いながらも一人で暮らしを立てていたのが嘘みたい。


怖くても行かなくちゃ…生理は待ってくれないよ…今自分にそう言い聞かせている。