きっと昔は手書きの原稿用紙を綴じた「生の脚本」が届いたんだろうな、と思いながらメールに添付されたプロットや脚本をポチッと開く。
そこから稽古初日まで、イメージのすり合わせ、解釈の解釈、予算との兼ね合い、最終的にできることできないことを重ねて最終稿を作っていく。
最終稿までくると『クライマーズ・ハイ』悠木よろしく「チェック、ダブルチェック」を念頭に出捌けや衣装替えのタイミング、大道具小道具の出し入れ、語尾人称を確認しながらステージを想像する
(その後、稽古期間に足し算引き算が行われて上演される、上演台本ができあがる)。
原作に接した時に感じたざわめきが、脚本の時点で燃えたり萌えたりじったんばったんするのは全作品共通。その余波がデザイナーやマーケティング担当者やキャストに襲いかかるのは毎度のことで、冷静な今ならまぁ自分落ち着けと思ったりするけれど、その熱が舞台の核を作り、大勢の人の手を経て魂が吹き込まれて、初日を迎えることに続くので、引き続きうちのスタッフにはこの燃えや萌えを受け取ってもらう所存です。
そんな中、先日読んだ脚本は文面からふつふつとキャラクターの想いや気持ちが湧き上がってきて、もう気持ちが抑えきれずボロボロ泣いてしまったので、早くその舞台を観て欲しいです。特に、男性に観てもらって、こういうシンプルで強い愛情って昔は持っていたことを思い出して欲しいと思っています(実際問題、実現できないからこその鮮烈な憧れって種類のものね)。