59冊目
「立花美樹の反逆 THANATOS」
汀こるもの
講談社ノベルズ
- 立花美樹の反逆 THANATOS (講談社ノベルス)/講談社
- ¥924
- Amazon.co.jp
周囲に不審な死をもたらす「死神(タナトス)」と呼ばれる少年・立花美樹が奥多摩山中の大きな神社に消えた。
美樹の双子の弟・真樹の計略にはまり、彼を捜すことになったのは私立陽華学園高校の自然科学部部員5人。
彼らを待ち受けるのは俗に塗れた祭主、異様に聡明な巫女、口きけぬ美少女、喚く蓬髪老人、包帯怪人……と揃いも揃って怪しげな新興宗教の者たち、そして大祭壇の死体消失から連続する不可能犯罪であった。
高校生たちは美樹を捜し出し、無事に生還できるのか!?
さらには立花兄弟のお守り役である刑事・高槻と、上司でキャリア官僚である湊にも異常事態が!?
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改めて確認したら積みレビューが半年分以上になってて、可憐に失神しそうな勢いでございますが、まあぼちぼちやりましょう。
最近、本の購入ペースも読むペースも落ち気味なので、まあ今のうち今のうち、って感じで。
てなわけで、タナトス7作目。
美樹が兄弟喧嘩の末に家出して、転がり込んだのは奥多摩に本拠を持つ新興宗教団体。
しかもそこは、公安がマークしているほど胡散臭く危険な団体だったからさあ大変。
絶賛喧嘩中の自分が訪ねても美樹が合ってくれないと判断した真樹は、自然科学部の部員たちと通称「立花家の家臣団」を駆り出して美樹奪還を試みる。
外部からも、湊と真樹が近くの宿を根城にし、高槻を施設内部に潜入させて事態の打開を試みる。
しかし当然のことながら、「案の定」殺人事件が発生。
怪しすぎる教団関係者たちに四苦八苦する面々に立ちはだかるのは、密室殺人、消えた死体、そして地下ダンジョン!?
美樹奪還と殺人事件の顛末は、果たして・・・
という感じの内容です。
作者曰く「笑ってはいけないミステリ・2012 春」ということで、脳内でバットをぶるんぶるん素振りする黒子の気配を感じながらの読書となったわけですが、結果的には何度もケツバットを食らう羽目になりました。
特に後半の「奥多摩クエスト」がもう、面白すぎる。
前作「空を飛ぶための三つの動機」でも、平和な日常を歩む我々とは違う価値観を持たざるをえなくなっている高槻の姿は十二分に感じられているのですが、今回はそれを軽々と上回ってきやがりました。
そんな健気で異常な高槻の姿には、思わず涙が・・・、というのは嘘ですどっちかというとケツバットされる方の感情が強かったです。
高槻よりも、湊の言動のほうが涙を誘うものだったような(笑)
ますます絶好調なこのシリーズ。夏には新刊が出るということなので、今から楽しみです。
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てなわけで、ひっさしぶりの読書レビューでございました。
なんか、久しぶりすぎて自分の文体(なんていうほど大したものじゃありませんけど)を完全に見失っているので、自分で読んでても若干の違和感が・・・
ま、とりあえず、遅れを取り戻すために頑張ってレビューを書きまくるぞー。おー。
うん。感情がこもってないのが丸わかりだ・・・