42.「百鬼夜行 陽」京極夏彦 | 町に出ず、書を読もう。

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物語がないと生きていけない。社会生活不適合者街道まっしぐら人間の自己満足読書日記です。

42冊目

「百鬼夜行 陽」

京極夏彦

文藝春秋




定本 百鬼夜行 陽/文藝春秋
¥1,838
Amazon.co.jp


悪しきものに取り憑かれてしまった人間たちの現実が崩壊していく…。


百鬼夜行長編シリーズのサイドストーリーでもある妖しき作品集、十三年目の第二弾。


京極夏彦・画、書下ろし特別附録「百鬼図」収録。



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あらすじの通り、「百鬼夜行シリーズ」の番外編的短編集、「百鬼夜行 陰」に続く第二弾です。



収録作品は、


「青行燈」

「大首」

「屏風闚」

「鬼童」

「青鷺火」

「墓の火」

「青女房」

「雨女」

「蛇帯」

「目競」


の10編です。




前作「百鬼夜行 陰」が出版された時は、百鬼夜行シリーズの既刊は「絡新婦の理」までだったということもあり、「陰摩羅鬼の瑕」と「邪魅の雫」関連の登場人物が多かったような気がします。




でも、上記2作は読んだのが結構前だし、再読もしてないので、出てきた登場人物が分からないことも結構ありました。




まあ、登場人物がちょっと端役過ぎたってのもありますけど・・・




だから、シリーズ前半の登場人物が出てきた作品のほうがよかったですね。




しかも、結構物語に関わってくる重要人物だったので更にプラスポイント。




特に、「魍魎の匣」で犯人の片棒を担がされたあの人と、「狂骨の夢」で案じていた妻に殺されたあの人の短編が特に印象に残りました。




そしてなんといっても最後の「目競」ですよ。




「百鬼夜行 陰」で最後の「川赤子」が関口巽の話だったように、「目競」もレギュラーメンバーのひとりであるあの人の話です。




いやあ、これはなかなか本編では見えない一面が見られてよかったです。




それと、読んでる時に「これはどの作品の登場人物なんだろう?」と不思議に思ったものがいくつかあったのですが、読み終えた後で調べてみると、それは次回作「鵺の碑」の登場人物なのだそうです。




おおお!




ということは、着々と執筆が進んでいるということですな。




てか、サイドストーリーが書けるってことは、大体のストーリーは定まってるはず。




いつ出るんだろう。楽しみだなー。