48冊目
「動機未ダ不明 完全犯罪研究部」
汀こるもの
講談社ノベルズ
「完全犯罪テクで悪人を始末せよ」
裏活動に精を出す醍葉学園『推理小説研究部(通称・完全犯罪研究部)』が学校爆破事件で廃部に。
平和が訪れると思いきや、懲りない部員たちは密かに裏活動再開!
イジメ、オカルト、猫殺し、父親殺害計画・・・、続発する事件を解決するべく最恐女子高生・杉野更紗たちがアブナイ正義で大暴走!
元顧問・由利千早(ゆりっぺ)にもありえない災いが!?
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とりあえず、あらすじに突っ込んでおこう。
『杉野更紗たちが』って!
主役は古賀じゃないのか?
杉野二号(更紗の通称)は表紙にすら出てないのに。
でもまあ確かに、何かと言えば暴れたがる古賀は、あんまり主役っぽくないんだけども。
杉野二号は色んな意味で危ないので、やっぱり主役っぽくないのだけど。
そういう意味では、何かと貧乏籤を引いているゆりっぺの方が主役っぽい立ち位置かも。
しょっぱなの猫殺しがいきなりしょっぱい原因、ってところから始まって、何とも物語っぽくない解決方法のオンパレード。
それがリアリティーなのかと言われると、少々首肯しかねるところではあるのだけど、「今っぽい」のは確かかなぁ。
無駄に現実的で冷めてる雰囲気は、結構好きですが。
と、まあ、ストーリーの話とかしてみたものの、私の中で汀さんは、『ストーリーは二の次三の次で、とりあえずネタっぽい掛け合いを楽しむ作品を書く人』というカテゴリーに分類されています。
ちなみに、西尾維新さん古野まほろさんあたりも、同じカテゴリー(笑)
今回もネタが満載で楽しかった!
電車の中で吹き出した時は、だいぶ恥ずかしかったです。
本筋と全く関わってこないので、ネタバレを気にせずお気に入りのネタを2つ挙げておきます。
「術の名前は何だったかな?」
「先天の三種の大祓。『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団』版」
「あれ、覚えるの大変だったよ。京極夏彦じゃ駄目だったのかい?」
「出典がバレやすい。その点、超力兵団は真性のメガテニストでも投げてる奴が多いから」
(PS2ソフト『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団』が元ネタ。私もクリアするまでに飽き、投げ出してしまいました。ラストダンジョンまでは行ったんだけどなー)
「考えろ、考えろマクガイバー・・・」
川崎が小さくぶつぶつつぶやいている。マクガイバー・・・聞いたことがあるような気がする・・・伊坂幸太郎?
(『冒険野郎マクガイバー』と『魔王』が元ネタ。と言うより、『魔王』の元ネタが『マクガイバー』なのかも。そうかー、全然気付いてなかった)
こういうネタが盛りだくさんなので、色々と探してみるのも楽しいですよ。
では最後に、とても勇気付けられる作中のセリフで締め括りたいと思います。
「積ん読は文化です!」
以上