46.「囮物語」西尾維新 | 町に出ず、書を読もう。

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物語がないと生きていけない。社会生活不適合者街道まっしぐら人間の自己満足読書日記です。

46冊目
「囮物語」
西尾維新
講談社BOX




「嘘つき。神様の癖に」


かつて蛇に巻き憑かれた少女・千石撫子。


阿良々木暦に想いを寄せつづける彼女の前に現れた、真っ白な「使者」の正体とは?



【「かみついて」、君を感じる 罠の中。】



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毎回おんなじようなことを言っている気がするけど、またしても予想外の展開。



しかも、超ド級の。



いつでも中立を保ち続けた忍野をして「純然たる被害者」だと言わしめた千石撫子は、暦たちの尽力もあり平穏な暮らしを取り戻した筈だった。



「純然たる被害者」
しかしそれは、あくまでも人の側でしか通用しない話。



何匹もの蛇を殺した撫子は、蛇の側からすれば「純然たる加害者」でしかなかった。



撫子の前に現れた蛇の怪異・クチナワは、その『贖罪』を要求する・・・という話。





「猫物語(白)」や「花物語」同様、一人称でヒロインの裏側が語られる形式なんですが、その裏側が強烈すぎる。



前の2作は、ある程度予測がつく裏側だったのだけど、これは全く予想の埒外だったなー。



そうか、これまでのあれやこれやは、ある意味全部伏線になるワケだ。



そう考えると空恐ろしい・・・。



しかしまあ、こんなオチにしてこれからどうするんだろう?