10冊目
「黒死館殺人事件」
小栗虫太郎
河出文庫
黒死館の当主・降矢木算哲博士の自殺後、屋敷住人を血腥い連続殺人事件が襲う。
奇々怪々な殺人事件の謎に、刑事弁護士・法水麟太郎がエンサイクロペディックな学識を駆使して挑む。
江戸川乱歩も絶賛した本邦三大ミステリのひとつ、悪魔学と神秘科学の結晶しためくるめく一大ペダントリー。
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言わずと知れた作品、とまでは言いませんが、ミステリー好きなら名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。
そんな知る人ぞ知る作品に挑戦してみました。
上記の「本邦三大ミステリ」というのは若干語弊があって、「三大奇書」「三大変格ミステリ」「三大メタミステリ」と言った方が実像に近いです。
ちなみに残りの2冊は、
「ドグラ・マグラ」(夢野久作)
「虚無への供物」(中井英夫)
です。
「匣の中の失楽」(竹本健治)を加えて「四大~」と呼ばれることもありますね。
うんちく終了。
「ドグラ・マグラ」「虚無への供物」「匣の中の失楽」は10年くらい前に読んでいたのですが、ラス1の「黒死館殺人事件」だけは読んでいませんでした。
当時はオンライン注文とかやってなかったので、見つけられなかったというのが理由のひとつ。
もうひとつの理由は、風の噂で『「黒死館」が一番難解で読むのがしんどい』と聞いていたからだったりします。
そして先日、ついに本屋で発見してしまい、見つけたからには読もうではないか、と決意を固めた次第です。
難解だからと二の足を踏んでいたのは10年も前の話。
その後もそれなりに本は読んでますので、多分当時よりも文章読解力はあるだろうし大丈夫だろ、同時期に出版された「ドグラ・マグラ」も読めたんだし、と読み始めたのですが、これがまあ、しんどいことしんどいこと。
「ドグラ・マグラ」と比較しても数倍読みにくい印象でした。
いや、話自体は興味深いんですよ。
衒学趣味は決して嫌いではないし、悪魔学や神秘科学も好きな方ですし。
ただそれを補って余りあるほどの読みづらさ。
そして何より、漢字が読めない。
人並み以上には漢字が読めると自負していたのですが、その自信が崩壊しました。
心の中で「ルビを、ルビをください。お願いします」と何度泣きを入れたことか…。
かなり時間をかけて何とか読み通すことはできましたが、何かもうぐったりしてしまいました。
正直、当分読み返す気にはなれないです。
更に精進して、5年後10年後にはもっとサクサク読めるようになっていたいですね。