義父の死

また色んな事が頭を巡る

 

今まで義父の口から、痛いって言葉聞いたことがなかった

義父は声はでてなかったが、痛い、と言っていた

痛いところに手を当てるので、さすったり体の向きを変えたりしてあげた

小康状態だと判断し帰宅しようとしたが

看護師さんにひとりは残ってくださいと言われた

もういつどうなるかわからない

このままずっととも朝までもつともわからない

もしその時がきて、ひとりで逝かすのは可哀想でしょう…と言われた

甥が残ることになり…数時間後その時がきた

 

夫はひとりで逝った

看護師さんのいう、可哀想…

最後の場所に向かう時どんな気持ちだったのか

怖かったろうし、辛かったろうし、苦しかったろうし、痛かったろうし

それも言えず、ひとりで逝った

考えると可哀想でたまらなくなった

そしてまた

なぜ…無限ループに陥る

 

義父は夫の本当の事を知らなかった

言えなかった

全てお見通しなんだろうか

あちらでなんて夫に声をかけたんだろ

夫はなんて言っただろ

お互いを思いやるふたりだったから

私が心配する事ではないか