朝、友達の結花ちゃんからLINEが入る。

「凪ちゃん。今日行ける？」

数日前に”土日暇か”聞かれ、

”土曜日なら空いてるよ”

と返事はしていたが、実行されるとは思っていなかった私。

アウトドア大好きな結花ちゃんは、以前からキャンプに誘ってくれていたが、一向に重い腰をあげない私の為に、日帰りプランの海を提案してきた。

暑い日差しの中、海はきつい。

どちらかというと山のがいい。

私は

”山ならいいよ”

と返事を送った。

”オッケー。あとで迎えにいくね”

と返信がきて、山登りすることになった。

山と言っても展望台があるハイキングコース的な場所で、軽装でも大丈夫なところだ。

メンバー誰だろう？

と気になったが、まぁ行けば分かる。

先月から運動する気満々なので、山登りは大歓迎だ。

旦那さんと娘を残してのお出かけ。

気楽だなぁ。

車でお迎えに来た結花ちゃんは、私の格好を見て

「やる気満々の子がきたね。」

と言った。

（くたびれた46歳だけど、ありがとう）

ハイキングと言えども、なめちゃいけない。

私は心配性なので、リュックには行動食を必ずいれる。

水分も水筒とは別にペットボトルを一本。

そしてトレッキングポール、手袋、その他もろもろ。

メンバーは結花ちゃんと、結花ちゃんの姉（雪さん）という、知った仲だった。

社交的な人のあるあるで、誘われて参加したら

”はじめましてのメンバー”

ということがたまにあるので注意が必要だ。

現地に着き、車から降りると山の中はひんやりして気持ちよかった。

私は展望台コースは初めてだった為、数年前に来た事があるという二人の案内に従った。

「確かこっちだった」

と言って記憶を頼りにスタートし、自信満々に進む二人のあとをついていく。

しばらく歩くと、雪さんが足が痛いと言い出した。

１ヵ月前に捻挫した足が痛むという。

まだ歩き始めて20分も経っていない。

痛めた足で展望台まで歩くのは無理だろう。

私は、当然引き返すと思ったが、

結花ちゃんは

「歩き方変えてみー」

と軽く言い、

雪さんはそれに従う。

(雪さんは姉ですが、妹の結花ちゃんのがしっかり者です。）

雪さんは途中何度も

「ちょっとまって」

と足を気にして立ち止まる。

私は

「ねぇねぇ帰らないのー？」

と聞くが、

二人は大丈夫と、次々色んな話題を繰り広げ一向に引き返す気配がない。

しかしスタート地点からしばらくして、別の場所に着いてしまった。

どうやら進む方向が違っていたらしい。

水が綺麗な場所で、私はここで十分満足だった。

目的地とは違ったが、

”これはこれで良かったな”

と思いながら、車まで引き返すことになった。

車までもどった時点で２時間は過ぎていた。

私は今日はこれで終了かと思ったが、諦めない二人は帰るという選択肢を思いつかないらしい。

ここが再スタートとなる。

「えぇー帰らないの？」

私は”うそでしょ？”と言う気持ちで二人に抵抗してみたが、モブの私の意見はあっさり却下。

とりあえず行けるところまで行ってみようということになった。

”ガッツあるなー”

私は心の中でつぶやいた。

途中、”もう登り終えて帰る”

というおじさんに出会い、

展望台までどれくらいかかるか聞いてみた。

「今から行くの？まだ１時間以上かかるよ！」

おじさんは少し驚きながら教えてくれた。

でしょうね。

だって展望台と言うからには頂上付近でしょ？

上見ると結構距離ありそうだし・・・。

この時点ですでに14時を回っている。

ついに断念か？と期待したが、やはり登るらしい。

全然あきらめないな、この二人。

途中こんな植物を見つけました。

つづく

ガッツあふれる友達の話～山登り①～