新年を迎えるにあたり、
わが家では断捨離に拍車がかかっている。
身体はひとつしかないのに、
どうしても母の服が捨てられない。
明らかに昭和の香りが漂うデザイン。
けれど、生地も仕立ても「お品がいい」と、
手に取るたび迷いが生まれる。
不思議なことに、自分の服なら見切りは早い。
けれど親のものとなると、
思い出まで一緒に捨ててしまう気がして、立ち止まる。
このままでは、
人生が“片付け”で終わってしまうのではないか。
いつになったら、スッキリとした
生産的な日々に戻れるのだろうと、
焦りばかりが募っていく。
そんな私に、友達がそっと呪文をくれた。
「1日1捨て」
一気にやらなくていい。
完璧を目指さなくていい。
今日はひとつ、明日はまたひとつ。
忘れないように、
その呪文を紙に書いて、
そこかしこの壁に貼っておこう。
断捨離は、戦いじゃない。
自分の人生に、余白を取り戻すための
小さくて、やさしい習慣なのだから。
