義父が入院している
極度の貧血がきっかけで
胃がんであることが判明し
胃全摘のオペをしてもらった
もう高齢だから
何が起きてもおかしくはない
正直この年齢でのオペに
意味があるのかもわからない
介護施設では
大声をあげたりと
認知症の症状で
スタッフに迷惑をかけてきた義父
入院時
久々に親子で対面できたが
長男であるダンナも判別できず
(コロナ禍で全然面会できていない)
会話も成り立たない状態だった
とは聞いていた
そして今回
オペ後の病状説明を受けに病院へ行き
実にコロナ禍になって初めて
私は義父に会うことができた
わかってはいたが
変わり果てた義父の姿に
涙を堪えることができなかった
表情は穏やかではあるものの
メガネをしていないこともあり
どこを見つめているのかわからない
何かを見ているのかもわからない
声をかけても反応が鈍い
食事も自分では取れず
食欲もないらしい
(脳の病変は特にないようだ)
暴れないよう
気分を落ち着かせる薬を
確か服用していたはずが
傾眠傾向になってしまうため
今では向精神薬を服用しているとか
涙が堪えられない私の横で
ダンナは一見極めて冷静で
普段どおりの振舞いだった
しかし実はそうではない
彼は困難な状況を直視できず
逃げたがる傾向にある
受け止められないのだ
自分の中で上手く処理できないのだ
私の場合は
今何が起きているのか知りたい
これから何が起きるのか知りたい
実際は予測通りには
いかないことも多いけど
心の準備をしておきたい
悔いのないようにしたい
ダンナはどうか
とにかく忘れようとする
無理矢理
気持ちを切り替えようとする
別の形で発散しようとする
そうしないと自暴自棄になり
謂わばうつ状態になる
これがつい最近まで分からなかった
今はとにかくリラックスできるよう
近くのスーパー銭湯へ行ったり
サッカーの試合を見たりして
気持ちを切り替えようとする
ダンナのこの内面が分かる前は
何で親が大変な状況なのに
向き合わないんだろう
何でもっと寄り添わないんだろう
逃げてばかりで冷たい
と思っていた
まぁいまでもそう思ってるけど
思いの外心が弱いダンナに
ちょっとがっかりしないでもない
起きたことには
粛々と対処はするけど
それ以上もそれ以下もない
きっと私が先に逝くとしたら
同じく放っておかれると思う
でも不思議と寂しさはない
ただ息子たちにも放っておかれそうなのは
ちょっと寂しいかも
ま、しゃーないね