(「私と同世代のリバー・フェニックスの弟」とどうしても形容したくなる)
ホアキン・フェニックス主演
数々の賞を受賞したいわずと知れたこの作品
ずっと見たいと思いつつ、内容からして自分の心が平和な時じゃないとみるのは難しい…そんな風に思ってました
まったくもって想像どおりでした
とにかく一言
重たい
劇場公開がコロナ禍前夜の2019年10月
よかったね
今ならきっとこんな重たい映画は受け入れられない
現実が混沌としすぎてそんな余裕ない
私自身重たい映画は嫌いじゃない
むしろ好んで見てきたと思う
だからこそ今は見るのがきついかな…
とも思ったんだけど、この盆休みの連休中あまりにヒマ過ぎた
仕事休み雨降りジムも休み買い物も特に用事なしダンナは仕事
やることなさ過ぎた
スパイダーマンとかアメコミ系にはまったく興味ないし、まぁ全く別物といえばそうなんだけどさ
ストーリーは…
貧困や精神疾患など理不尽に抑圧された人間が、自分を解き放つにはやはり暴力しかないのか?
と思うような割とスタンダードと言えなくもない内容
過程よりは細部とバランスや「空気」にこだわりを感じる作品だと思いました
彼を抑圧された側のアイコンとする風潮を描くのは、ストーリーを盛り上げるにはよかったのかなぁ?というか
バットマンに対するジョーカーの存在への伏線か…
最後のほうね、人々がピエロのお面をかぶった暴動シーンのおかげで少し軽くはなったけど、(暴動というよりお祭りみたいに楽しそうなんだもの)なんとなくその時流れていたCreamの『White Room』のせいかなぁ?と思ったり…
やはりすごいと思ったのは、ホアキン・フェニックスが演じる狂気へ転じていく主人公
最初からまず幸せそうには見えない
何かを起こしそうな悲愴感が漂う危うい雰囲気
そして
音楽
私の中で映像と音楽のマッチングは結構重要で、違和感があると悪い意味で印象に残ってしまうことがあるが、この作品はチョイスとタイミングがバチンとマッチ
時代背景は1981年のアメリカ架空の都市、流れるのは1960〜70年代初頭の曲が多いが、曲だけでなく歌詞が主人公アーサーの状況とリンクしている
シナトラやアステアなどのスタンダードからロックまで、場面との調和が秀逸で、曲だけ聞いてもかなり映画の世界観を感じることができると思う
ただ、暗い映画なので切り離して聞かないと、せっかくの名曲を楽しめないという、なんだかもったいない状況にもなります
OMPSはインストのオリジナル挿入曲しか収録されてないんですけどね
これはこれで雰囲気あります
この作品に関する他のレビューを読むと、ロバート・デ・ニーロが出演していることもあり、『キング・オブ・コメディ』のオマージュと表現するものが多かったけど、コレみたことないんだよね
今度ウォッチリストに入れておこっと
狂気を描いた傑作と言われる映画が数多ある中で、外的要因によって狂気を爆発させた『JOKER』はある程度同情の余地があるとも言えるが、内面の本質的なサイコパスを描いた映画なら『アメリカン・サイコ』をお薦め
まっっったく救いようのない"クズofクズ!"とも言うべき自己愛の強いサイコパスが主人公の映画です
こっちの方が段違いに悪質で胸糞悪い分、より健康で平穏な精神状態じゃないと不快感しか残らないので【鑑賞要注意❗️】です
「これが自己愛か、自分はここまでのクズにはならないな」と安心できる(?)作品
誰かと一緒に見たらその後絶対雰囲気悪くなること間違いなし❕なので、一人で見たほうがいいですヨ
次はフツーのホームコメディか感動ヒューマンドラマが見たい
頭の切り替えしないとね