2009年から二期目の長期政権を続けたきたネタニヤフ首相率いる第1党の「リクード党」に変わってイスラエルは、6月に野党8党の連立でベネット政権が発足しました。

 

2020年に汚職(収賄、背任)で検察から起訴されていました。

 

それとは別に、ネタニヤフ首相が政権の最期に行った2つの悪事、

 

①一つ目は無分別な自国民への大量のワクチン接種を強引に進め、結果的にワクチン抵抗性変異種によって、むしろ感染の再拡大に繋がる下地をつくってしまったこと。7月7日現在のイスラエルの人口10万人当たりの感染者数は26.7人でこれは日本の7.9人の約3倍。実行再生産数は1.45。

 

「人体実験」を禁じた「ニュルンベルク綱領違反」として、一部の市民グループに「ワクチンホロコースト」としてイスラエル政府とファイザーはハーグに訴えられています。

 

引用元:

 

2回接種率約60%のイスラエルでは、デルタ変異種によって6月から再び徐々に感染拡大しています。これは、ギアードバンデンボッシュ博士の予想がまさに的中した形です。

 

悪玉抗体であるADE抗体がどの程度できてしまったかによって、感染による重症化がワクチン接種者や無症候性感染者の2回目の感染(これは若年者が感染によって重症化している例など)によって起こる危険性があり、注視しております。

 

引用元:

 

 

②二つ目は、トランプ大統領が示したパレスチナとの共存のロードマップのような「地図」を破り捨て、パラスチナ自治政府の行政地区であるガザを徹底的に攻撃して破壊したこと。

 

 

ガザ地区はパレスチナ自治政府の行政地区ですが、このように「飛び地」になっています。

 

 

パレスチナ自治政府の行政地区ガザをネタニヤフ首相は約15年に渡り経済制裁で封じ込め、武装勢力「ハマス」と対立してきました。

 

ガザ地区

パレスチナ自治政府の行政地区ガザ地区の中心都市で、住民の3分の2は1948年の第一次中東戦争によって発生したパレスチナ難民およびその子孫とされています。

 

 

この地区には人口急増と度重なる紛争に加えて、15年近く、イスラエルやエジプトよる輸出入の制限・封鎖が行われてきた地域です。

 

 

攻撃で大規模な被害を受けた建物(2021年5月ガザ市・住民撮影)

 

 

2021年5月、イスラエルによる空爆でガザ地区は壊滅的な状態になっていると伝えられている。(上の写真と同じ場所の現在の様子が下の写真)

 

 

現在、ガザはこのように瓦礫の山になっています。

 

 

■ネタニヤフ政権が最後にやったことはガザ地区の破壊

退陣直前の5月、イスラエルとパレスチナ武装勢力「ハマス」との武力衝突が起こり、2週間に渡る双方の攻撃が繰り返されました。

 

 

ネタニヤフ首相は退陣前、パレスチナの武装勢力「ハマス」とイスラエルとが武力衝突し、パレスチナ難民達が暮らす「飛び地」であるガザ地区は約2週間の空爆を受け、その結果、この地域に暮らすパレスチナ人およそ1万人が家を失い、街は瓦礫の山となって壊滅状態となり、医療も崩壊寸前になっているそうです。

 

 

国境なき医師団ガザ地区ミッションのヘレン・オッテンス=パターソン氏は同地区の人道状況は「壊滅的だ」と説明。

 

 

引用元: 

空爆されたガザの様子を報じているBBCの動画あり

 

 

これは、偶発的に起こった衝突ではなかったようです。予め計画されたものだった可能性が高いようです。

 

 

 

■軍事作戦「要塞の番人」(2021年5月の攻撃作戦)

(ネタニヤフ首相は)我々は戦争の真っただ中にあり、全力で攻撃を続ける」と述べた。

 

ネタニヤフ首相は、ベニー・ガンツ国防大臣とアヴィブ・コチャフ参謀総長も含む軍事当局と会合を開いた。

 

「彼らは大きな犠牲を払うことになる」と発言してイスラエルの迫害にロケット弾で反撃するハマースを標的にする「戦争」には時間がかかると語ったネタニヤフ首相は、

 

「イスラエル国民の安全を確保する」と話し、攻撃の激しさとスピードを加速させると語った。

 

ガンツ防衛相は、ガザ地区にあるターゲットに対してこれまで行われた攻撃は「ほんの始まり」であると述べた。

 

ガザ地区にいるパレスチナの抵抗グループ(武装勢力「ハマス」)は、イスラエル警察が占領下の東クドゥス(クドゥス:一部の国や地域では「エルサレム」と呼ばれている)にあるアル・アクサー・モスクとシェイク・ジャラー地区から撤退するよう設けられた猶予が切れたにもかかわらずこれが実現しないため、イスラエルに多数のロケット弾を発射し、イスラエル人5人が死亡している。

 

これを受けてイスラエル軍はガザ地区に対して軍事作戦「要塞の番人」を開始したことを公表している。

引用元:

 

 

■ネタニヤフ前首相は最後にガザ地区を破壊して去った

ネタニヤフ氏はイスラエル建国(1948年5月14日)後に生まれた最初の首相でした。

 

 

第一期目はパレスチナ過激派のイスラエルに対する自爆攻撃が多発した1996年7月の総選挙で勝利し、首相に選出されたときちょうど50歳だったようです。

 

 

その後スキャンダルなどで1999年に政権が終了し、その後一時期政界から引退。

 

 

2009年に再びイスラエルの首相に返り咲いた。パレスチナに対しては徹底抗戦の強硬路線を貫き、2021年5月まで、二期目は長期政権を続けた。

 

 

2020年の3月2日に行われた総選挙でリクード党が第1党として勝利するも、ネタニヤフ氏に汚職疑惑が持ち上がり、イスラエ検察から収賄と背任で起訴されたこと、選挙で肉薄されたことを受け、野党「青と白」の党首のガンツ氏を副首相兼国防相としての連立政権で発足。2021年の11月に、ネタニヤフからガンツに首相の座を譲ることで合意していた。

 

 

しかし、両者の対立は深まり、2020年12月23日の期限内に21年の予算が成立しなかったため議会はまたも解散、連立政権は崩壊。

 

 

今年の3月23日に再び行われたイスラエル国内の総選挙ではネタニヤフ率いる「リクード党」が第1党となり、4月6日に組閣を要請されたものの、議会が紛糾して5月4日に組閣を断念。

 

ベンヤミン・ネタニヤフ(中央)は、4月5日の汚職裁判の冒頭の議論のためにエルサレムの裁判所に到着。

 

 

6月3日、極右の新右翼や中道のイェシュ・アティッドなど野党8党が連立政権樹立で合意。

 

 

議会は6月13日にナフタリ・ベネット新内閣を賛成60、反対59票の僅差で承認。

 

 

15年に及んだネタニヤフ第二期政権は終焉を迎えました。

 

引用元:

 

 

■攻撃の応酬を続け合うイスラエルとパレスチナ

 

「アイアンドーム( Iron Dome、 כִּפַּת בַּרְזֶל‎、kipat barzel)」

2011年からイスラエルに配備されている防空システム

レーダーはイスラエル・エアロスペース・インダストリーズの子会社エルタ (ELTA) 社製、指揮ユニットとタミル (Tamir) と命名されたミサイルはイスラエルの軍事・防衛関連企業であるラファエルが製造。システムソフトウェアは、後にラファエルの子会社となった mPrest Systems が開発。米国が資金的に支援。

 

 

今年の5月11日、パレスチナのイスラム原理主義者「ハマス」がパレスチナ自治区のガザ地区からイスラエルのテルアビブへ向けて130発のロケット攻撃し、そのときの声明によれば、「11日のロケット攻撃は10日にイスラエルが行った空爆への報復として行った」と発表。先に攻撃をしかけたのはイスラエル側だった可能性はありますが詳細不明。

 

 

イスラエルは、ハマスのロケット攻撃に対して防空システム「アイアンドーム」で迎撃しながら、空爆などで報復し、紛争が約2週間継続。

 

 

紛争が2週間続いた後、イスラエル政府は「停戦合意」がなされ、ただし、日時を明記せず、「停戦は、後日有効になる」と発表。

 

 

この衝突の犠牲者はイスラエル側が12人、パレスチナ側が子供65人を含む232人に上ったそうです。イスラエルの圧倒的な軍事的優位性が示された形ではありました。

 

 

イスラエルとパレスチナとの和平合意への道はますます遠のいたようです。

 

 

引用元:

 

 

 

参考:

 

 

 

 

イスラエルの新首相であるナフタリ・ベネット氏は嘗てはネタニヤフ前首相の首席補佐官を務めたこともある人物で、ネタニヤフ以上の「超国家主義者」なのだそうです。

 

 

参考: