第1章

なんで、人はすぐに人を裏切るのだろう。
そんなことを考えながら教室の窓から外を眺めていた。
あの日以来僕は、人と関わる事を避けていた。

「おはよ。タケル君
そう話しかけ来たのは、同じクラスの遠藤マイだった。
僕はスっと立ち上がり教室を出て行こうとした。
「ちょっとタケル君おはよは?」
うっとおしい…。
「あのさぁ、話しかけてくんなよ。」
「ねぇ、今度さ一緒に新しく出来たケーキ屋さんいかない?」
聞いてねぇし。
「だから、話したくないし、お前ともどこもいかないから
そう、吐き捨てて出て行った。
階段を最上階まで、上がって屋上に出る。
やっぱりここがいちばん落ち着く。

周りは友達とか信頼とか口にしてるけどそんなのはただの、戯れ言にしか過ぎない。僕はそう思ってる。
だって、信じてもすぐに裏切るのがおちだから。

授業の始まりを告げるチャイムがなった。
サボりたい訳ではないけど、ただ、教室に行きたくなかったから、そのまま屋上で寝てしまった。

「起きろー!」
そう言われて目を開けると、遠藤マイがいた。
また、こいつかよ。
「どっか行ったと思ったらこんな所で寝てたんだ。
「お前に関係ないだろ。」
「ねぇ、なんで、そんなに周りを拒絶するの?」
「別に、ただ、関わりたくないだけ。」
「ねぇ、それってさ、寂しくない?」
「そんなことお前に言われる筋合いねぇから。」
早くこいつから離れたくて早足で階段を駆け下りた。

教室に着くとなにやら、にぎやかだった。
どうやら体育祭の話し合いをしているみたいだった。
僕は出るつもりはない。