典医寺の帰り道、迎えに来たシャインとウンスは回廊を歩いていた。
ウンスはずっと気になっていたことを自分で確かめたいが、時間がなく時がただ過ぎ行く事に空しさを覚えていた。
今日こそはシャインに訪ねようと決めていたのである。

「ねぇ、シャイン。」

「なぁに?」

「カウンティ総合病院から帰ってきてから、ヨンが会いに来ないの。」

「それで?」

「彼、元気にしてる?」

「フッフッ。元気よ。毎日動けなくなるほどファルコンにしごかれてるわ。」

「そんなに?」

「ウンス、今は耐えてね。
会えなくても、二人の想いが叶えばきっとうまく行くわ。
だから、もう少し待ってね。」

「今は会ってはいけない時?」

「そうね、そうかも。
彼の覚悟次第では、会えなくなるかも?」

「えっ⁉」

「冗談よ。でもね、私たちがなぜ此処にはいるのか。それを考えれば自ずと道は開けるわ。
大丈夫、彼を信じましょう。」

「わかったわ。でも、ヨンの様子は知りたいの。お願いシャイン。」

「良いわよ、ムガクシの訓練の合間に、様子を見ておくわ。
さすがにテサンじゃないから、大丈夫だけどね。」

「クスッ、私もそう思う。ファルコンだし。」

「他のウダルチ達が問題よね?」

「フウッ、皆順番に典医寺に来るの。毎日。
どうしたら、あんな怪我してくるのかしら?
湿布薬が足らないってトギが怒り出してるくらいよ。」

二人はため息をつきながら、館へと戻っていた。
その後ろ姿を、木の影からテマンが見つめていた。