歴史ある上品なカフェで知られる世界有数の都で、コーヒーとケーキの優雅なひとときを過ごそう。
ウィーンでは、カフェはずっと昔から文化の中心だった。あらゆる階層の人がそこに来て、おしゃべりする、意見を交換する、チェスに興じる、新聞を読むなど、思い思いの時を過ごした。そして、なによりも1杯のコーヒーで、悠々と流れる時間に身をまかせたのである。
今日、ウィーンの数あるカフェの1軒に入ると、万事が今よりもゆっくり進んでいた昔にタイムスリップしたような気分になる。華麗な装飾や高いアーチ天井がみごとな老舗カフェの中には、19世紀後半に創業した店もある。寄せ木張りの床、曲げ木の家具、ビロード張りの長椅子、大理石の天板のテーブル、タキシードを着た魅力的な(ときには無愛想な)給仕、スプーンが金属の盆にあたる音などの効果で、時代を超越した雰囲気が漂う。
ここでは古い伝統がそのままの形で守られている。アップルシュトゥルーデルや、ザッハトルテの名で知られる有名なチョコレートケーキがメニューを飾り、生クリームを浮かべたアインシュペナー、メランジェなどいろいろなコーヒーもある。どの店にも必ず新聞が置いてあり、余興として、ビリヤード、音楽会、朗読会がある。時には奥の部屋で政治集会も開かれる。
有名なカフェはだいたい歴史地区(第1区)に集中し、環状道路沿いに多い。特に有名な店は、「グリンシュタイドル」「ツェントラル」「ラントマン」「ディグラス」「プリュッケル」「シュペルル」「インペリアル」。ケーキなら「ザッハ」や「デメル」、ちょっと変わった雰囲気がお好みなら「ハヴェルカ」へ行こう。
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■ベストシーズン ウィーンの夏は暑く、気温が35℃に達することもある。エアコンのあるカフェは少ない。
■旅のヒント カフェは年中、早朝から夜遅くまで営業している。外に席を用意しているカフェもあるが、これが流行りだしたのは最近のことだ。
【見どころと楽しみ】
<ウィーンのコーヒーいろいろ>
■コーヒーと温めた牛乳を半々にして、時にはホイップクリームをのせたメランジェは、最もよく飲まれている。アインシュペナーはグラスで飲むコーヒーで、ホイップクリームをのせる。
■アイスカフェは冷たいモカにバニラアイスとホイップクリームを浮かべたもの。ゲリュールターアイスカフェは、冷たいモカとバニラアイスを混ぜたもの。
■もっと濃いコーヒーがお好みなら、エスプレッソにスプーンの上からミルクを注いで層にしたオーベルマイヤーを注文しよう。あるいは、デミタスカップをホイップクリームで満たし、上からエスプレッソを静かに注いだユーバーシュトゥルツターノイマンもいい。
■さらに勢いをつけたい人には、1杯分のエスプレッソに温めたラムを入れたフィアカー、2杯分のエスプレッソにオレンジリキュールを入れ、たっぷりのホイップクリームをのせたマリア・テレジアなどがある。
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