妹様が強くなった理由 | 鬼ばかりの鬼のすみか

妹様が強くなった理由

妹様は最初から強かったわけではなく、
どっちかというと内気な女の子だった。





なぜ強く鬼になったのかお話します。






今から13年前までさかのぼる。




俺がまだ中学生で妹様はまだ小学生の時の話。


このときはまだ平和な家庭だった。




おやじは会社を経営していた。あまり儲かっていなかったが。

それでもまぁお金はあるほうだった。




しかし、不幸というものは突然やってきた。


おやじが取引していた会社が倒産。
その会社に現金ではなく約束手形で取引していたため、
おやじの会社に金が入ってこなかった。
その結果、









おやじの会社も共倒れ




そのあとは崖から転げ落ちるように人生の底まで落ちていった。


家や車など全て売却。




俺は子供ながらにもうだめだと思った。

妹様はいつも泣きじゃくっていた。




本当の地獄はここからだった。


おやじはすぐに仕事を探さなかった。


会社を経営していたプライドがあったのであろう。
その代わりにおかんが働きにいくようになった。
家がこんなに大変なのに、おやじは毎日酒を飲むだけだった。



このおやじの態度についにおかんがきれた。




夫婦喧嘩なんてものではなかった。殺し合いのようだった。


今ではおかんは笑い話として友達に話しているが、

俺と妹様は止めに入ることができないぐらい凄まじかった。

それが毎日だった。



そんな毎日が続いていたせいかおやじの頭がおかしくなりだした。



いつも、寝る前におやじが俺と妹様に












おやじ「お前らが寝たらガスの元栓開けて一家心中する」










と言い出すようになった。


でも、本当にすることはなかった。





俺と妹様の精神もおかしくなりかけていた。



次の日も次の日も毎日喧嘩。



そんな日が半年以上続いた。




そして事件は起こった。



おかん「たすけて~、殺される」







その声を聞いた俺は妹様を部屋に残し、おかんのもとに走った。




俺の目におかんがおやじに首を絞められている光景が飛び込んできた。



俺はおやじを止めに入っておかんから離そうとしていると、妹様が現れた。
















妹様「おまえなにしとるんじゃ~(`Д´)」





そう言っておやじの顔面をボコボコに殴っていた。



妹様の精神力が限界を突破した瞬間だった。




この事件のあとおかんとおやじは別居することになり、


おれと妹様はおかんと住むようになった。





そして、鬼が目覚めた妹様はどんどん強くなっていき現在に至る。





重苦しい話になってすいません。


今は平和に暮らしていますのでご安心を(´ー`)

俺は鬼たちのわがままを聞いていますが(涙)