在来工法の床組について。

 

 

床仕上げ材を直接支持する構造部材を床組(ゆかぐみ)という。1階の床組は根太(ねだ)、大引き(おおびき)、床束(ゆかつか)で構成され、2階の場合は2階梁、胴差し、根太から構成される。また、水平力に対する配慮として、火打ち材が入ります。

 

根太(ねだ ねた)
根太は大引きの上に垂直方向に張る床の構造の一部で、1階の場合通常45mm×42mm程度の部材を303mm(畳の場合は455mm)間隔で。二階の床の場合54〜50mmくらいのものを303mmから455mmの間隔で取り付け、大引きや梁に荷重を伝える。細身の丸太の上下を水平にカットした太鼓根太(たいこねた)と呼ばれる大きなものを使用する場合もある。材質や取り付けに問題があると、床鳴りの原因となります。

 

大引き(おおびき)
床組で、土台間に土台と直行して約900mm間隔で並べ入れる横木。土台間が長い場合には床束を約900mm間隔で入れて支える。大引きと直行する形で根太が乗りその上に床板を張って仕上げます。

 

床束(ゆかつか)
床を支えるため束石の上に立て、大引きを支えるもの。

 

火打(ひうち 火打梁)
二階などの床や小屋組に設ける水平構面の変形を抑えるための斜材。木製のものが多いが鋼製でできた既製品の火打金物の使用が増えています。

 

根がらみ
床束が倒れるのを防ぐために入れる部材。貫とは違い貫通させずに釘打ちとすることが多い。

 

床下地板(ゆかしたじいた)
畳を敷く場合に根太の上に張る板、荒床(あらゆか)などと呼ばれる。フローリングなどの場合にも下地として合板などを貼ります。

 

床組の種類としては、床組は1階と2階の床組の構成の違いから、下記のように分類できます。

 

束立て床
通常、1階の床組として使用。この床組は、根太、大引き、床束で構成。床の防湿のために、地面から45cm以上の高さに床を設けます。

 

根太床
根太のみで構成される床組で、梁間は1.8m程度とします。1階の押入れ、廊下などにも用いる。(この場合の梁間は、0.9m程度)です。

 

転ばし根太(転ばし床)
大引きや床束を用いず土間コンクリートやスラブの上に直接根太を敷き床仕上げます。

 

束のない床
2階の床組に用いられる床組で、2階床組を考える場合、1階の柱、2階の柱、壁のかかわりをよく考慮する必要があります。

 

梁床
梁間寸法が1.8~3.6m程度の場合、2階梁、根太(梁間寸法は1.8m程度とする)から構成される床組。通常、2階の床組として最も多く用いられる床組です。

 

組床
梁間寸法が6m程度までで、下階の床面積が大きい場合に用いる。構成は、2階ばりを大梁、小梁として2段に組み合わせ、その上に根太を設けるようにします。

 

剛床(ごうゆか)
厚みのある構造用合板を用い床の構造を剛とした床。根太を用いる場合と根太を設けずに床梁の上に直接構造用合板を貼る方法があります。

 

詳しくは古民家解體新書Ⅱ P301をごらんください。