現在の住宅の平均寿命は約30年、これは建物を建ててから使わなくなるまでの数字で、少し前のデータだが平成10年解体・リサイクル制度研究報告会報告書、並びに総務省の平成5年住宅統計調査による住宅のサイクル年数である。

 

日本が30年に対して、米国は103年、英国が141年と日本のサイクル年数は短く、平成8年の建設白書を元に建物を取り壊す滅失建物の平均年で比較しても、日本は26年、対して米国が44年、英国が75年と欧米先進国と比較しても非常に短命です。

 

 

築100年を超える古民家は各地に沢山残っており、世界最古の木造建築とされ、ユネスコの世界遺産にも登録されている奈良の法隆寺は金堂が西暦607年頃、五重塔は7世紀後半に建築されてまだ現存している。

 

社寺建築と一般住宅は異なるかもしれないが、古民家鑑定での平均築年数は約120年ある。木造だからと言って短命なわけでなく、

 

日本の平均寿命が30年と短いのは戦後復興の安普請(やすぶしん)かウサギ小屋と海外から嘲笑(ちょうしょう)された質が悪く、粗悪な住宅が多く建設され解体されたことも要因の一つと考えられるが日本の高い技術力がある木造住宅が短命であるというのは、まだまだ使える状態のものをメンテナンスせずに壊しているということではないだろうか。

 

住宅への投資周期、いわゆる住宅ローンの年数でみても日本の平均が23年に対し、米国は38年、英国が73年という数字となる。日本は23年かけて住宅ローンを支払い、30年経てば使わなくなるのである。なんともったいないことか