在来構法はコンクリート製の基礎の上に土台(どだい)と呼ばれる横木を敷き基礎に埋め込んだアンカーボルトでしっかりと固定して、その上に「ほぞ」と呼ばれる凸部を作った柱を建てる。接合部はV字型やL字型、あるいは凸の形の山型のプレート金物などで補強する。家のコーナーに来る柱は1階から2階迄1本の長い通し柱(とおしばしら)をコンクリートの基礎から埋め込んだホールダウン金物を使用し建てる。

在来工法は伝統構法から受け継がれた接合部の加工「仕口(しくち)と継手(つぎて)」が使われるが、伝統構法に比べると単純な加工が多く、接合部分に金物を併用するのが特徴である。

 

土台と梁の間(横架材間 (おうかざいかん))には斜めの部材「筋交い(すじかい)」いを入れ地震時に建物の変形を抑える働きをする。「筋交い」は部材の大きさや、片側に入れるか、タスキ掛けで入れるかにより強度が変わる。壁量計算(へきりょうけいさん)と呼ばれる構造の計算をし、バランス良く配置する事が大切。「筋交い」もボックスプレート金物を使い土台と柱に均等に力がかかるように取り付けられる。また水平面の変形を抑えるために梁と桁の入隅や土台の内角などに入れる斜めの部材「火打(ひうち)」も持ちいられる。

 

他の建築工法と比較して小規模なら自由な間取りで設計の自由度が高く、変形した土地や狭小の土地、ある程度の傾斜地にも対応ができるのが特徴。鉄筋コンクリート造や鉄骨造などに比べ安価に建築出来るのも魅力。また、リフォームや増築なども比較的簡単に行なえる。

 

ポイント
・間取りの自由度が高い
・変形地、縮小地、傾斜地にも建築可能
・RC造と比較して建築費は安価

 

詳しくは古民家解體新書Ⅱ P293をごらんください。