最初にお断りしておきますがこの実験は私が大工さんからいただいた柱の木切れ(長さ30cm)と水を張るために使用したプラスチックの衣装ケースとキッチンで料理を作る用のハカリで計測したあくまで夏休みの自由研究の延長線上なので細かい数値や、確証については正確ではありませんがあくまでこういう方向性が示されたとしてお読みくださいね。先ほど強制乾燥材、自然乾燥材、集成材の事について書きましたが、本当に耐久性がどうなのかは何年もたたないと解らないと思いますので木の特性、呼吸するという部分に関して実験をしてみました。

木の良さは質感と風合い以外にも調湿作用がある事です。湿気を吸う事で高温多湿の日本では快適に過ごす事ができます。湿気の多い日は水分を吸収し、乾燥している日は水分を放出して湿度を一定に保つ性質があるのです。またその柔らかい材質は空気を多く含んでいる訳で木材の中の空気によってコンクリートの約2倍もの断熱性もあるのです。その反面、『縮む』『膨らむ』という性質があり、多少の反りや割れが起こります。

新築住宅に使う柱の調湿性能がどの程度なのか、実際にサンプルを使って調べてみました。方法は30cmの3寸5分(約10.5cm)の自然乾燥材、人工乾燥材、集成材のサンプルを準備してそれぞれの重さを最初に計り、それを24時間水に付けてその後の重量の変化を調査しました。

実験の結果は水を一番良く吸ったのは自然乾燥材で浸水前を100%とすると13%プラスの113%重量が増加しました。人工乾燥材と集成材は6%~8%の増加にとどまりました。これにより自然乾燥材が水分、湿気を良く吸う事が実証されました。

その後の乾燥の進み具合ですが96時間後には全ての材で1%程度に減少、これは測定の誤差程度かと思いますのでほぼ水に付ける前に戻ったのと同じ状態かと考えられます。人工乾燥、集成材共調湿性能は低く6~8%しかなく、対して自然乾燥は13%で約2倍の水を含む事ができます。ただ自然乾燥材は乾燥時に新しい割れが発生しました。この結果を大工さんにも話したのですが、大工さんが驚いたのは人工乾燥材が水を吸わなかった事。大工さんは自然乾燥材と同じくらいは調湿作用があると思っていたそうです。