世界191の国と当時の欧州共同体(EC)が参加して1945年に設立された国連食糧農業機関(FAO)の「世界森林白書(SOFO)2011年報告」によると、全世界の森林面積は1990年に40億7729万haが2005年には39億5202万haへ減少。約15年で全世界の森林面積の3.1%にあたる1億2526万haの森林が消失しました。アジア地域は中国、インド、ベトナムなどでの植林による森林の増加があるものの東南アジアやアフリカは大きく減少しており多種多様な生命が住む原生林の減少の歯止めはかかっていません。

「こだわり」の建築士日記 


地球の表面積の約29%が陸地であり、そのうち森林が占める面積は31%の約40億haあります。人口一人当たり0.6haもある計算になりますが、森林面積な豊富なのはロシア、ブラジル、カナダとアメリカと中国などの大きな国土を持つ国家で森林面積の50%を占めています。また森林が全くない国も10カ国あり、その他54の国は国土に占める森林面積は10%未満しかありません。熱帯林を農地に転用する事で1990年代の深刻な森林面積の減少傾向はここ10年の環境意識の高まりで減少幅は低くなってはきていますが、オーストラリアなどなどでは干ばつや森林火災などが原因で減少しており、世界的には2000年から2010年の間に森林面積は5200万ha減少しているとされ、伐採とともに砂漠化の傾向などが顕著になり森林の破壊は加速していると思われます。

アジア地域では、1990年代には森林面積は減少していたが、2000~2005年には、主に中国における植林の増大により、森林面積が増加に転じたと報告されていますが現在は世界的には森林破壊のスピードは加速しており年間で日本の国土の1/3程度(約1200万ha)の面積の森林が失われています。

森林の減少の原因としては、森林の農地への転換や過剰な伐採、違法伐採などがあげられますが、その他森林の火災や、害虫や病原菌、干ばつ、風害、氷雪害、洪水などの気象要因などが影響しています。1997~1998年のブラジルとインドネシアで発生した森林火災では、それぞれ200~300万haの熱帯林が焼失したといわれ、シベリアなどの森林でも、過度の伐採による森林の減少が進行しています。森林は莫大な炭素の蓄積倉庫でもあり、2005年から2010年の間で年間0.5ギガトン炭素の蓄積量が減少しているとも計算されています。森林破壊による影響は炭素の蓄積量の減少による地球温暖化の促進以外にも森林が持つ保水性が失われる結果土壌の栄養の流出や洪水の発生、崖崩れなどの被害をもたらせます。また水質や大気の浄化能力も低下し、多くの生態系にも悪影響を及ぼして虫や野生生物など種の多様性が失われてしまいます。

日本は世界有数の森林国です。国土の約68.5%を森林が占め、これは約72.9%のフィンランド、68.7%のスウェーデンに続いて世界第3位だそうです。世界の平均は約31%、森林大国として名高いカナダは34.1%程度で、環境先進国のドイツは31.8%、イギリスは12%ほどしかないそうです。欧米諸国に森林面積が少ない理由は、元来2000年ほど昔のヨーロッパは森林に覆われた土地だったようですが、約1000年の間に農耕や牧畜、都市の建設などで多くの森林が伐採され、雨が少なく寒い環境により森林の再生には時間がかかり森林の面積が減少したそうで、そのために住居についても木造では無く、石造りの住宅文化が発達したと言われています。

各国の国土に占める森林面積は、
フィンランド 72.9%
スウェーデン 68.7%
日本 68.5%
韓国 63.0%
ロシア 49.4%
カナダ 34.1%
アメリカ 33.2%

となっています。